第2章
第11話 富士山を下りた 1
「
「よかった......勝てて。疲れた、特に最後......」
「黒蛾が
「たしかに!使ってきてたら勝てなかったんじゃない?」
「もし使ってきていたら勝てなかったじゃろうな」
「......本当に使ってこなくて良かった」
「ここから下りるために戦ったのだから一旦戻るぞ」
「了解」
――――――――――――――――――――
「戻ってきたが......ここに来るのは最後になるのかな」
「しばらくは来ないだろうな」
「なんだかんだ言って数ヶ月いたからな......」
「そんなことより早く身体強化をとかんか。どうせしばらく寝込むんであろう」
「......身体強化解くのって毎回きついんだけど」
「流石に最初よりも何倍も良くなっているはずじゃが?」
「いや、まぁ最初よりはマシだけど」
「じゃあ早く解くんじゃな。祐樹が起きたら出発の準備を始めるから」
「俺が起きたらすぐ出発するぐらいでもいいぞ」
「わかった。大体の準備は終わらしておく」
俺は身体強化を解いた
......もちろんいつも通り激痛と疲労感に見舞われながら
――――――――――――――――――――
「早かったな。おはよう」
「......神楽、おはよう、で合ってるのか?」
「ああ、日の出ぐらいじゃな」
「確か身体強化を解いたのが昼ぐらいだったはずだから―――」
「まぁ20時間いかないぐらいは寝てたな」
「短くは無いが......大分短くなったな」
「3日以上起きなかったときもあったしな」
「......これ本当に精神的な痛みなのか?」
「ああ、そうじゃ」
「やっぱりそうなのか」
「と言っても実際身体に疲労は溜まっているし脳に負担がかかるから慣れてくるまでは寝込んでも仕方ないと思うぞ」
「それは要訓練だな......」
「そうだ、祐樹が寝ている間に大体準備し終わったぞ」
「ありがとう。どんな準備したんだ?」
「とりあえずこれを準備した―――」
そういいながら神楽は大量のもの詰め込んであるであろうリュックサックを持ってきた......2個
「祐樹、片方持ってくれ」
「うーん、だと思った。何が入ってるんだ?そんなに」
「確認がてら出してみるか。例えば......ナイフ、テント、寝袋は用意していなかったから小さめの布団に―――」
そう言って神楽は他にもリュックサックから物を取り出した
神楽が言ったもの以外にもロープ、ロウソクとライターそれに小さめの鍋
「本当にいろいろ入ってるな......」
「あったら楽だし無くて困るよりかはいいじゃろう。祐樹、片方持ってくれ」
「りょーかい」
そう言って神楽から片方のリュックサックを受け取―――
「重!?」
思っていた何倍も重くて持てずに地面に落としてしまう
「これ重すぎないか!?」
「そうか?持てないぐらいでは無いと思うんじゃが......」
「これ何キロぐらいあるんだよ」
「50キロぐらいか......?」
「え......それは重すぎるって」
「大きいがそんなに重くないだろう」
「それは神楽だけ――――」
そういえば神楽ってよく岩持ってきて斬らせてくるけど、あれどうなってるんだ?
「神楽って常時身体強化使ってるのか?」
「身体強化を使っているわけではないが少し似たようなものかもしれないな」
「そりゃ岩も持ち運べるわ」
「それ気にしていたのか......」
「そりゃ気にするよ......あんな普通じゃないのを見せられたら」
「祐樹だって身体強化を使えるじゃないか」
「あれを見たのはそんなの知らないときだったからな!」
「確かに印象に残ったかもな」
「ちなみにこれどうやって持てばいい?」
「......しょうがないから妾が持つことにするか」
「軽いものだけまとめたりってできないか?」
「できるな......ちょっと待っててくれ」
そうして数分待っていたら神楽が詰め替えたであろうリュックサックをもって戻ってきた
「詰め替えてきた。多分そっちは20キロ少しになっているはずじゃ」
そうして俺は神楽からリュックサックを受け取り背負う
「重い......けど持てないことはないな」
「よし、じゃあ行くか」
「おう」
――――――――――――――――――――
富士山五合目あたり
「そろそろ半分ぐらい来たんじゃないか?」
「そうだな、もうそろそろ半分だと思っていいはずじゃ」
「やっとか......このリュックサックですらきついんだけど?神楽が持ってるのって何キロぐらいあるんだ?」
「たしか80キロぐらいじゃな」
「80キロって......嘘だろ。神楽の体重の2倍ぐらいあるんじゃないか?」
「祐樹、女子に体重を聞くのはやめたほうがよいぞ」
「あ、ごめん」
「別に妾は大丈夫だが。実際体重の2倍より少し軽いぐらいじゃな」
「本当によくそんなの持てるよな......」
「疲れたならここで休憩するか?」
「してもいいか?」
「ああ、急いでいるわけでもないしな」
そう言って神楽がリュックサックを地面においたので俺も休憩することにする
「休憩するならここで食べるか?」
そう言って神楽はリュックサックからお弁当を取り出した
「なんでも入ってるな、そのリュック。ありがたくもらうよ」
――――――――――――――――――――
「そろそろ行けそうか?」
15分ぐらい経ってから神楽が聞いてきた
「ありがとう、もう行けると思う」
「じゃあ下まで下りるぞ」
そうして俺たちは出発した
「なぁ神楽、もう数ヶ月経ってて今更だが食べ物ってどうやって準備していたんだ?調理器具とかもだし」
「そうだな、なんて言えばいいか......。祐樹に服を作った時と同じ感じじゃな」
「あれ?この服ずっと着てたけど変化に組み込んでる、みたいなこと言ってなかったか?」
「ああ、言ったぞ変化に組み込んでるから変化を使う感覚で着れるし消せるから便利じゃぞ」
「あ、変化と同じようにしてるのって便利って言う理由だけ?」
「そうじゃな」
「じゃあこれ本物なんだな」
「何だと思っていたのじゃ......」
「変化みたいなものかと」
「作るのは時間がかかるし大変だから作ることは少ないがな」
なんであんなにいろんな物があるのかと思ったらそういうことだったみたいだ
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作者の勝手にQ&A
Q.神楽がいろいろなものを作っているのは刀の能力としてなのでしょうか?
A.いいえ、刀としての能力ではなく神楽自身の能力として作っています。
神楽の他の能力?今後のお楽しみに!
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