第19話 ホド検問所

ラクチョボに乗り、キャラバンたちを前列にフィヨルドの海の上を飛んだ。ホド検問所の近道のルートらしい。

「うわーーーーーーーーーーー」荘厳な風景に智紀は感動していた。

「すっごい綺麗!!」

フィヨルドの海は、少し冷えた。

偏西風が西から吹いている。

「風に煽られて、落ちないようにな」

キャラバンのワイバーンが笑いながら言った。

史郎はラクチョボの乗り方が下手で、落ちそうになっていた。


「あれがホド検問所だ」


ホド検問所は検問所と周りに広場があった。

「おや?」

広場には戦車がいくつも止まっている。

少し不穏な雰囲気だった。


「降りてみよう」ワイバーンが言った。


「なんだって?検問所が通れない!?」

ホド検問所は閉鎖していた。


「ケブラー帝国がザルガバースの軍団と戦争を始めたらしい。帝国の軍隊が通るまで、検問所は閉鎖している。やっかいだな」

ワイバーンは、智紀達に説明した。


「そんなぁ…」智紀達はがっかりした。


「…待って。この気配…」

チビノアは広場に走って行った。


ケブラー帝国の軍隊が運んでいたのは、氷漬けの人のようなものだった。


「これは…魔法使いサムソン…!!」


「これが、エリュシオンの英雄、魔法使いサムソン!?」智紀がチビノアに聞くと、

「帝国の軍隊が厳重で、手出しできないな」

チビノアが言った。


それから何時間もして、やっと帝国の軍隊が検問所を通り、封鎖が解かれた。


「とんだロスだな……」キャラバンの一人が言った。



検問所の検問料を払った智紀達とキャラバンは、ネツァク神殿を目指した。

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