第10話

「 でも伊織が泥酔するくらいだもん。余程麻人さんのことが好きだったんだね… 」


「 ふふ。そうかもね、本人には伝わってなかったみたいだけど… 」


「 まーた、俺がいなくても…とか俺のこと好きじゃないんだ!とか…そんなやつ!?」


「 正解。」


綾が予想できるくらいには私はいつも同じような台詞で振られている。


ちゃんと好きなんだけどね、相手にはそれがいつもなぜか伝わらないんだよね。



「 ……伊織はもうちょっと男の人に甘えた方がいいと思うよ。」


「 … はい。」



でも、甘え方が分からないんだ。


そんな私の可愛くない性格は、私の生い立ちから来ていると思う。

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