第19話

でも、それを言ったら……。



擬似恋人は終わり。



こんな風にそばにいることも出来なくなる。



でも、そろそろ終わりにしないといけない時期なのかもしれないとも思う。



ソロパートの練習という名目で、東条さんを独占する私を、部の皆だって本当はおかしいと思っているはずだし。



こんな風に放課後の練習と称した時間も、終わりにしないとダメなのかもしれない。



そして、終わりにするなら私から言わないとダメ。



私の勝手に付き合わせてしまった彼に、私から止めたいと言わないとダメだと思った。



「東条さん、お願いしたこと……終わりにしてもいいですよ」



連弾と呼べないメロディーが、途切れた。



「……まだ、なにも教えられてないのに?」



え、?



後ろに立つ東条さんを見上げれば、寂しそうに笑う彼と目が合う。







どういう意味―――?

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