第39話
「あー、もうやだ。わたし、寄り道して帰るからここで降りる」
「は? 今からどこに行くって?」
「どこでもいいでしょー! じゃあね」
先ほどの駅から一駅だけ乗ったところで降りる。ギリギリのタイミングでドアが閉まり、それはなるを乗せたまま発車していった。
現在時刻は夜の9時を回ったところ。
電車の心配はしなくてよさそう。
このあたりに何があるのかを調べてみたけど特に珍しいものはなかったので、1時間だけカラオケをして帰ることに。
「……なにしてたの」
「っ!」
びっくりした。
カラオケを出て自宅へ帰ろうと駅に行くと、そこで待ち伏せていたなるがわたしに声をかけてくる。
あれ、乗ってるのをたしかに見送ったよね?
わざわざ次の駅で降りて引き返して、わたしが来るのを待ってたの? 1時間も?
「高校生は補導されるかもだから早く帰った方が」
「せっかく誘ったのに、あんな解散で納得すると思う?」
いえ、思いません。
わたしならガチギレです。
でも、あれはなるが悪いんだ。
相変わらず、生意気な態度を取るから。
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