作者の感想

第18話

 ファースト、セカンド、サードのシーズンは、副題や見出しでも挙げている通り、多摩と湘南、関東の御厨、そして伊勢志摩とその周辺を舞台にしてきた。

 フォースシーズンでは再度関東に戻ってきた物語。まずは葛西御厨かさいみくりやである。その後、船橋御厨、相馬御厨、大河戸おおかわど御厨なども順に登場する。やがて伊勢へと物語の舞台は繋がっていく。

 何となく現時点でのおぼろげな構想なので、厳密なまでのこの通りに物語を書くことはないと思うが、時空穴の埋め立て作業もお話に出来るし、時守の里の全容も解明していかなくてはいけない。それと並んで亜空間書庫も一緒に解明することになる。なによりも時の翁とそのグループが迷い人たちの理想郷を探し求めるという大きな動きを現役の暦人たちがどう動いて判断するのか? という部分がプロットの上で最も見所となる。

 登場人物の面では、夏夫や晴海が去った物語の本編を富久や歌恋がどう動かしていくのかが鍵となる。山崎や美瑠は物語に復活して活躍するのか? 乙女と八雲の結婚なども話題に出来るだろう。

 目下詳細は不明だが、この物語作品をまだしばらくは終わらせる気は、作者にはない。それどころか、まだまだ登場人物たちには活躍してもらいたいと思っているのである。

 勿論、伊勢神宮の御神徳とも思える「さきわい」、「おかげさま」と、SF作品の大主題「時間」、そして拙作の願いである「優しさ」をベースにしたものを目指す。多くのキャラクターのおかげで時空移動の物語の進行は楽しく進む。作者も登場人物である彼らの自主的な動きに物語を託している。



 最後になるが、この作品は特に注目を集めるような派手な内容や、流行のイカした描写もない。そのかわり、ほっとして頂くことと、そして忘れかけていた心の温かさを思い出せるような作品に仕上げられたらと思うし、それを常に心掛けている。

 今回は過去の作品も楽しんでもらえるように、こんなガイドブックまがいの作品をアップした。これの出来の善し悪しはさておき、皆さまのお暇つぶしのひとつになれば幸甚である。


                                          お人好しの筆者

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時間物語のサブテキスト 『時神と暦人』を楽しむために 南瀬匡躬 @MINAMISEMasami

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