アイテム用語集【ア行-ナ行】

第14話

アイテムと用語、場所 

♪基本用語


【ア行】

☆熱田時空集配局

架空の郵便局。中京圏の時空郵政の集配基幹局。


☆亜空間書庫-時の館-(あくうかんしょこ)

緑の洋館。亜空間の時守の里の隣に位置している。書庫になっていて、時神や暦人の本を管理運営しているのが八雲夫妻である。出入り口は念動隧道とも連絡しており、五つある出入り口は順に芝、春日野、伊勢河崎、浜松磐田、熱田および念動隧道となっている。ここにある不思議なアイテム、三角縁神獣鏡の「時の鏡」は便利な道具である。

→ページ下に画像見取図あり


安蘇あその鏡師

刻時鍛人こくじかぬちの東京での呼び名。安蘇地域の夏見家が連絡先、取り次ぎを行っているためにそう呼ばれるようになった。→刻時鍛人


☆アミュレット

一般的な辞書を当たれば、「護符」、「魔除け」、「お守り」などが出てくる。その手の映画などの字幕では「チャーム」と同義語に扱われていることも多い(昼行灯でもそれくらいは理解できた)。本作品においては、理力やオカルトパワーに近いアイテム、神がかった霊力のあるアイテムとして使用することも多い。聖剣や聖水のような勇者のアイテムに近い役割。映美がマイクにもらったペンダントヘッドが代表例である。またサードシーズンの富久が手渡された水時計も、必要な人間を集めるための状況をプログラムされた時空プロセス環境を作りあげるアミュレットである。第四シーズンでは時の翁の持つ千木筥型の時の玉手箱や生姜飴、甘酒飴なども効果のあるアミュレットであった。


☆飯倉御厨(いいくらのみくりや)

東京の中心部、港区辺りにあった御厨。とはいっても、御厨があった当時、平安から室町頃、お江戸は町も無くただの遠浅海岸と湿地だった。セカンドシーズンでは栄華がタイムホールを守っている。おおよそ三個から五個程度のタイムホールが現れる場所である。後半からいとこの辞典ことのりが「モントル」と一緒に守っている。念動隧道の東京側の入口はこの近くの公園にあり、亜空間書庫への入口は「モントル」の地下室にある。


☆飯田橋の大神宮(いいだばしのだいじんぐう)

山崎夫妻が婚礼を挙げた神社。近代神道結婚式発祥の地と称される場所。


☆異次元万年自鳴鐘の庵(いじげんまんねんじめいしょうのいおり)」

「風の御厨」と呼ばれる詩輝島してるじまの竜宮城に住む乙姫が鍵を預かる庵。その中には万年自鳴鐘という制御時計が納められており、全ての人類の時代を網羅する制御機能を持ったコントロール・ルーム。前任者の時のおうな、すなわち江崎久里子の退任が決まり、御膳令二と初瀬美蘭が夫婦となり、その役目を負う。

→万年自鳴鐘


☆岩戸神明社(いわどしんめいしゃ)

アマテラス大神をまつる本作品に登場する架空の神社。かつての大庭御厨の中心神社で相南市桜台岩戸地区に鎮座。代々上家の浦安家(カラオケハウス経営)、中家の豊栄家(スーパーギンビス経営)、下家の山崎家(ギャラリー喫茶店経営)の三家が持ち回りで総代を務める。湘南地区のタイムゲートを受け持つ。岩戸神明宮とも言う。


☆歌枕(うたまくら)

一般的な詩歌の用語としては古より風流な詩的風景を持つ文学的な名勝、土地などを指す。今で言う風光明媚な観光地である。この物語に置いては、歌枕は託宣解釈のための手がかりが多く、「ミステリーピース」となる。歌枕は重要なヒントとなる場所を教えるための「鍵言葉」、すなわちメッセージの一種とも取れる。物語の中では「あそのかわら」、「みかもやま」、「さがむね」、「みなのせがわ」などが使われている。


☆閏オチ(うるうおち)

暦と実際の天体運動が一致できないために、調整作業を行うことを閏と言うが、本作ではその時に時間のゆがみやひずみが生じ、おかしな事故やら事件が起こる事をこう言う。

挟む時間の単位によって、閏秒オチ、閏月オチなどと言い換えることもある。


☆雲雷文内行花文鏡(うんらいもんないこうかもんきょう)

→ないこうかもんきょう


大世古おおぜこ精密時計工房

理系女子、才女の小宅印画こだくあきえが経営する時計修理店。伊勢市にあり、松阪の自宅「小宅旅館」を休業して、こちらを優先して業務している。なので小宅家、松阪市の講元宿は実質この時計店が代理をしているといえる。実際に会社を動かしているのは時計の間の付喪神。



☆大庭御厨(おおばみのくりや)

物語設定上は相南市の御厨。実在していた御厨で、本当は現在の神奈川県藤沢市から茅ヶ崎市辺りを指す。物語の中では山崎が岩戸神明宮のタイムホールを守っている。代々山崎家が御師をつとめる。



☆大氷川宮(おおひかわのみや)

さいたま市大宮区にある架空の神社。参道脇の大木の室の中にタイムゲートがある。また近くの郵便局は時空郵政の業務拠点である。新設の氷川御師は吉敷家が務めている。


託宣解釈オラクルズ・インタープリテーション

託宣の解釈。暦人の一番大事な仕事は、この時神がなんらかのアクションとして伝えてくる託宣を正確に、確実に読み取ることである。メッセージを読み違えると、自分だけで無く時間の流れや歴史に大きな傷を残してしまうため慎重さは必須だ。

→たくせん


☆織姫大神宮(おりひめだいじんぐう)

足利市にある架空の神社。かつて蚕業の中心地だったことで、その主祭神は伊勢の機織りの神さま。松阪市の神社からの勧請と聞く。


【カ行】

☆葛西御厨(かさいのみくりや)

東京都江戸川区付近にあった御厨。物語では、青砥美和の実家が管理するタイムゲートを持つ。講元宿は彼女の兄、一色が経営する「潮風食堂」である。


☆堅香子邑(かたかごのむら)

元々は足尾の深山、朱岩戸あかいわど氷室山ひむろやまの向かい庚申山の胎蔵内窟たいぞうないくつにあったむら。アイヌ文化を継承するアテルナイの率いる鍛造群の集団が住む邑。邑は辺り一面に堅香子、すなわちカタクリの花が一面に咲く亜空間。夏見家の者は刻時鍛人こくじかぬちと呼び、他の暦人は『安蘇あそ鏡師かがみし』や時の錬金術師れんきんじゅつしと呼ぶ。ここに行ける者は夏見家の者だけで、本家、東家、卜占家の者のみが銅鏡を使って入ることが出来る。ゲートは足利公園にある。


☆楽器工房23

伊勢市の国道二十三号線沿いにある楽器工房。神代持彦の祖父、フィドルじいさんがオーナーの楽器工房。特にリペアに強い工房。木の御師の家。


☆鎌ヶ台(かまがだい)

フォースシーズン第二話の舞台となる千葉県にある架空の町。相馬御厨に近く、古代社会時代の三ヶ所の水系に分かれる分水嶺ぶんすいれいの台地を持つ。この町の郊外に御師の印旛霞いんばかすみの家がある。印旛家の梨の木のそばに念動隧道の入口があり、梨の花が咲くころ、晩春から初夏にかけてゲートが現れる。


☆神郡(かみごおり)

行政区分の郡全てが御厨の機能を備えた神宮や神社の徴税権利を持つ土地。

→参考 神八郡


☆神八郡(かみはちぐん)

度会、多気、飯野、員弁、三重、安濃、朝明、飯高の神郡かみごおりのことで、十世紀にはその呼称は成立している。


☆カレンダーガール

別表記「暦女れきじょ」とも。暦人の中でも神社ではなく、教会を利用する女性たち。やはり世襲制で、一般には母から娘に受け継がれている場合が多い。本作では横浜を中心に活躍している。おそらくの話だが、神戸や長崎、函館にもいるような気がする。登場人物としては阿久葉織、晴海の母娘、ケイトとエリーナの母娘、勘解由小路歌恋、アガサ・スローパーなどがいる。


☆神戸鎌田御厨(かんべかまたのみくりや)

静岡県磐田市から浜松市に広がる御厨。東海道沿いと言うことで重要な御厨の一つである。代々、谷島屋家がその御師を務めている。土地柄楽器工房と楽譜専門書店を経営しているが、講元宿になっているのはその併設の谷島屋家が運営する民間音楽ホールである。


☆季節結界(きせつけっかい)

香澄流家に伝わる内行花文鏡の銅鏡を四隅に配置して、家に伝わる四季の女神への唱え言葉を奏上すると、その内側の季節を変えることが出来る技。香澄流家だけに伝わる、念動隧道のゲートを出現、解錠させる呪術方法。そのゲート扉の解錠にはさらに香澄流家の蔵にしまってある破魔矢と破魔弓でゲートを射貫く必要がある。


☆銀杏水晶(ぎんなんすいしょう)

暦女アイテムの水晶に銀杏エキスを閉じ込めたアミュレットの類い。魔法の手順としては、対象物の四隅をこの水晶四コで囲み、フラッシュ・イヤリングで仮処置、チェンバロの音色で本処置となる方法。初瀬美蘭が得意とするゲートに使う魔法。


☆蔵人別当(くろうどべっとう)

時の検非違使の実践役職として、検非違使に変わって、時間管理の実務を司る。そのなかでも管理職に当たるのが別当の地位を持つ者たちである。


☆桂花の御神酒(けいかのおみき)

三嶋大社などの神木の花弁、キンモクセイを浸した日本酒を月と太陽の下で清めた御神酒。暦人御師の中には、古くから自宅の庭に、この御神酒を造れるキンモクセイの木を植えている者もいる。山崎家や神代家がこの類いである。これを飲んだものは、一般人でも一時的にタイムゲートの通過を許される。時神が許した人物のみに与えられる特権で、時神に貢献した際にのみ与えられる。おおよそは退役した御師が、再度ゲートなしに時越えをする際に使うことが多い。一時的な許しのため、その時間移動行為自体は「キンモクセイ・タブー」と呼ばれる。

→(参考)戻り桂花酒




☆講元宿(こうもとやど)  「さきわひ」・「モントル」・「うずま酒造食堂部」ほか

昔風に言えば、講元宿。ただし現在は宿泊施設機能は無い。大庭御厨周辺の暦人を統括する役目を負い、伝達事項の中継基地となる。現代の暦人は、時空の情報やタイムゲートの場所などを紹介することが主な役目。そして道に迷ったタイムトラベラーのお世話などをするので、その活動拠点である。「さきわひ」(神奈川県)は、その講元であり、暦人御師(こよみびとおんし)である山崎凪彦が主のカフェギャラリーである。同様に「モントル」(東京都)は飯倉御厨の角川栄華、「うずま酒造食堂部」(栃木県)は寒河御厨、思川乙女の講元宿である。

ほかにも「小宅土産物店」(三重県)、「楽器工房23」(三重県)、「裾野楽器工房」(静岡県)「ワンダーランド」(神奈川県)、「ひなぎく」(東京都)、「ともえ」(栃木県)、「小宅旅館(休業中)」(三重県)などがある。


☆刻時鍛人(こくじかぬち)

もとは渡良瀬川の源流付近、足尾地区の庚申山の洞窟の中にある亜空間に住む刀工集団。後に氷室山の空間、その出口通路を足利に変える。夏見卜占家と夏見東家、本家のみが、その仕事の依頼を出来るパイプ役である。刀の他、銅鏡や銅脈の掘削、砂鉄溶解などの特殊技術で時空世界のアミュレットを作ることが出来るの集団。時の錬金術師という異名を持つ。→安蘇の鏡師


☆コメヤ珈琲

熱田や明月町などでたびたび登場する中京地区の喫茶店。クロノすワールという時計を模したあいす菓子が有名。


☆暦人(こよみびと)

神社や教会などにあるタイムゲート(タイムホール、時空穴、虹色の御簾は一部同義語として使う。構造上はほぼ同様のもの)を使って時間を移動する人々。他言無用、親切、思いやり、慈悲などを持つ者が選ばれる。



☆暦人御師(こよみびとおんし)

暦人の中でも世襲制、旧御厨地域の主要神明系神社の近隣に住むリーダー的な者。かつて伊勢から各地へ赴き、暦やお伊勢参りの案内、講の世話役などを行った職業の御師にあやかって、本作では暦人(時間移動者)たちを連れて行くリーダーのような存在に設定した。また自分の近隣地区のタイムゲートを使う他の暦人に案内をする役目も負っている。例としては、相南市山崎家、東京都港区角川家、小山市思川家、松阪市小宅家などが挙げられる。フォースシーズンまでの御師は順に、山崎、夏見、八雲、思川、角川、小宅、三井、山村、朱藤、神代、青砥、吉敷などがある。中でも、東のトップである角川と西のトップである小宅が特別な家として、多くのアドバンテージを持つ暦人御師の家柄である。他に大神系の御師、東の峰は思川だ。西はまだ登場していないので内緒にしておこう。奈良の名阪沿線に住む。

 また神明系御師には二パターンあって、本来の供物を神宮に捧げていた御厨地域の主要神社とそのタイムホールを管理する場合と、作り部のように土(かわらけ)の御師や木(どうぐ)の御師のような食べ物以外のものを作っていた御厨の御師の家もある。


【サ行】

☆斎宮(さいぐう)

斎王の仕事や生活を営むための建物。実際には三重県明和町にあった。この物語では三重県・明月あけつき町にあるという架空設定の場所。


☆佐久山御厨(さくやまのみくりや)

大田原市にあった御厨。


☆寒河御厨(さんかわのみくりや)

栃木市・小山市・野木町に跨がる縦長の御厨。思川家が代々管理するいくつかの七色の御簾が存在する。上流部には国府跡や「室の八島」と呼ばれる大神神社もある。中心のゲートは、町の中央にある十千木神明宮とおちぎしんめいぐうにある。その参道の入り口、例幣使街道にうづま酒造の店舗もある。


☆桜ヶ丘神明宮(さくらがおかしんめいぐう)

横浜市桜木町紅葉山地区にある架空の神社。アマテラス大神をまつり、境内社に月読社、大神神社、住吉社などを持つ大規模な神社。横浜での時間移動、タイムゲートを受け持つ神社。セカンドシーズンの後半からは夫婦になった夏見と栄華がタイムホールの管理を多岐廉太たきれんた老公から依頼されて、新たに桜ヶ丘御師として管理している。(2nd ep.6『いずれ菖蒲か杜若』)


☆時空御厨(じくうみくりや)

→御厨


☆時空令外の官(じくうりょうげのかん)

時の検非違使は、時間の流れを守るための治安維持を任務とする。蔵人の頭を実務官に持つ。時の勘解由使は暦人御師の任命権を持つ。タイムゲートの管理もしている。


☆芝ノ大神宮・芝乃ー(しばのおおじんぐう)

浜松町にあるアマテラス大神をまつる架空の神社(漢字で書くと同名に近い由緒あるお宮さんがありますが、あくまで無関係です)。もとの飯倉御厨の主要な神社であった。幾つものタイムゲートを持ち、東京の区部の大部分を受け持つ。芝大門の角川家が総代を務め、御師も受け持っている。


☆十一叉路道標(じゅういちさろのみちしるべ)

念動隧道内の広場、追分にある道標。少々経年劣化で読めない箇所も多い。

道標


☆浄玻璃鏡(じょうはりのかがみ)

筐体が水晶、鏡部分は銅で出来ている鏡。物事の善悪を映し出す鏡で、封印や魔力も持つアミュレット。刻時鍛人たちが造り、堅香子(かたかご)、すなわちカタクリの花を鏡に映した後で、五十鈴川の水に浸すことでその浸した本人のみが使うことが出来るようになる。


☆呪絡繰経傳(しゅらくそうけいでん)

勘解由小路家本家に伝わるアミュレット作りの秘伝書。時の媼はこの秘伝書を使って、火の御師、土の御師、木の御師、そして此花卜占家の協力で出生時代判別鏡という三角縁神獣鏡の形をしたアミュレットを作り上げて『時の翁』に協力をした。



☆出生時代判別鏡(しゅっせいじだいはんべつきょう)

青銅で作られた三角縁神獣鏡のかたちをしている。この鏡を人物に当てるとその人物が本来住んでいた時代の元号が映し出される。もしこの物語の作者を映せば『昭和 平成 令和』と出ることだろう。『時の翁』が使用後には亜空間書庫に収められて、赤紫のシールが貼られた。


☆亜空間封印物(シリング・フォー・ハイパースペース)

金色の御簾や念動隧道などの亜空間通路のハイパースペースを埋める時魔女の技術。銀杏ぎんなんを煎じてつくるエキスを水晶に閉じ込めたアミュレットをゲートの四隅に貼り付ける封印方法。封印された場所は遮断壁キープアウト・ウォールと呼ばれて、ハイパースペースには数年間入れなくなる。永久封印の際には時空間の魔法効力のある名器、クラヴィコードかチェンバロによる清めの演奏が必要となる。



☆相馬御厨(そうまのみくりや)

東日本最大の御厨。相馬郡の殆どがその領域。この物語では、表向き香澄流家と印旛家がその正当な暦人御師の座を取り合っている。






【タ行】

☆高鼻局

架空の郵便局。さいたま市大宮区の時空郵政集配局。


☆託宣(たくせん)

時神が暦人たちに、動いてほしい依頼を送ったメッセージ。オラクルの一種で、その中でも御厨など御師を決める世継ぎの指名メッセージを「白羽の矢」と呼ぶ。また暦人としての功績を称えた恩賞としてのメッセージは「キンモクセイ・タブー」、この託宣自体を読み込んで謎を解いていく作業を「託宣解釈」、あるいは「オラクルズ・インタープリテーション」などと言う。

託宣解釈オラクルズ・インタープリテーション


☆断夫鳥古墳(だんぷとりこふん)

JR熱田駅の近くにある架空の古墳。虹色の御簾、亜空間通路である念動隧道の入口など様々な亜空間への入口を持つ古代史を感じる場所。



☆付喪神(つくもがみ)

あやかしとも神とも分類されるが、本作品では暦人の眷属たちである。すなわち陰陽師の式神に似た存在として登場させている。一般には百年たった道具が魂を吹き込まれ意思を持つと言われている。本作では2ndのプレイエルのピアノの付喪神、フランソワや井伊公の銅像の付喪神、そして3rdの柱時計の男や髪飾りである釵子さいしの女性であるミヤ、4thのクラビコードの梨香、5thのパイプオルガンのエリザベートといった付喪神がいる。そして本作の付喪神の特徴を挙げると、暦人を頼ったり助けたりとフレンドリーなものが多い。


☆土の御厨

三重県の架空の村、六ヶ所村にあった神宮に納める食器を焼くために利用した粘土採集のための御厨。代々朱藤家が御師を務める。


☆時置人(ときおきびと)

別の時代の人間が、訳あって、その時代に身分を隠して、同時代人として滞在して任務をこなすことがある。その任務をする人。二十五世紀のカレンダーガール、地中舞(ちなかまい)が、その役目を負ってシスター摩理朱の妹夫婦の子どもとして滞在している(Ep.-5女神フローラの住む薔薇のアトリエ)。サードシーズンの神代持彦もこの類いなのだが、少々訳ありとなっている。



時守ときもりの里(時之湖村ときのこむら

別名時留めの里。母屋と数棟の建物、薬膳院の御厨(御園)、おとそ沢の流れにある時の水車からなる亜空間の集落。暦人の選ばれた者が管理運営して、時間の管理をする場所。関係各所と密約が結ばれる重要な場所。またアミュレットやアイテムを作るための材料を手に入れる重要な土地の役割もしている。



☆時巫女(ときみこ)

時神の名の下に時間や文化などを管理する時空案内人。全国を三人で管理している。時神の命を直接受けるため巫女の愛称があるが、特にシャーマニズムのような神秘体験などはない。暦人マスターや御師が暦人の統制、指導を行うのに対して、時間旅行の行動やルール、管理、簡単な時間のずれの修正作業などを事務的に担当している。また神勅で力を授かっており、多少妖術めいたことも出来る。多霧たぎりの時巫女、長慶子ちょうげいしの時巫女、串灘くしなだの時巫女がその三人である。


☆時の鏡(ときのかがみ)

亜空間の書庫にある三角縁神獣鏡さんかくぶちしんじゅうきょう、そして夏見東家にある内行花文鏡ないこうかもんきょうがこれにあたる。貼ってあるシールの色で用途が違う。未来が見えたり、迷い人を映してくれる。その所有者は多野にある本家筋と夏見東家、一部は夏見卜占家。


黄緑 迷い人捜索 別名カタバミの鏡

黄色 現場再生

朱  忘却

紫  蘇生

白  刻時鍛人こくじかぬち堅香子かたかごの国の門


※浄玻璃鏡や水弾きの鏡は時間変更や再生とは関係ないのでいわゆる時の鏡とは言わない。


→ないこうかもんきょう 参照のこと



☆時の迷い人(ときのまよいびと)

単に略して「迷い人」とも言う。託宣を授かり、タイムスリップしたはいいが、託宣の命を全うできず、途中であきらめ自分の時代への帰り方が分からず、時間の狭間をさまよってしまう迷子。また暦人で無い普通の人がたまたまタイムホールに落ちてしまい、帰路をたたれて彷徨っている状態なども言う。まとめれば時間の流れの中での迷子である。



☆時魔女(ときまじょ)

カレンダーガールのアミュレットを作る役目を持った暦人。なので兼任したカレンダーガールでもある。カレンダーガールがヨーロッパや国内の修道院などに行って研修をして、技能と知識を磨き、与えられる役職。箒に乗って飛ぶことも出来るし、聖水の製造方法、時越えのイースターエッグ、「命の水」の入手など、通常のカレンダーガールには出来ないアイテムを入手して、それを駆使する。




☆時の翁(ときのおきな)

姿や形は決まっておらず、その時々で違う格好で現れる。だがおおよそは白髪で杖をついた姿である。時巫女の力が及ばない、大きな歴史事変や人の命などの時間波動に大きく影響するものだけを修正する役目を負っている。時神が一番に信頼を置く人物。その配下に山崎の父親もいる。


☆時の勘解由使(ときのかげゆし)

別名時間人事局員。時空役職で、特に暦人御師の任命権を持つ。暦人御師の任命では月夜の晩に牛車に乗って空から舞い降りてくる。その貴重な姿を見物するための、関係の無い暦人たちも見物に訪れる。本編では『時神と暦人 御厨に流れる時間物語』(The 2nd season)「第四話 ♪料亭の庭に咲く花(コマクサと弦楽器)』の最後の部分で登場する。



☆時の検非違使(ときのけびいし)

時空判官。時間の流れを乱す者や許可なく時空年代を移動する者、パラドクスの原因となる者を取り締まる役目。時の翁、時巫女の上役にあたる。



【ナ行】

☆内宮参道局(ないくうさんどうきょく)

架空の郵便局。NT(日本逓信郵配会社郵便局)の特定局。小宅分家(大那の家)の運営する講元宿の隣にある昼は特定局の郵便局。タイムホールを持つ、時空郵政の局として夜の営業もある。実は大那の弟が局長を務めている。


☆内行花文鏡(ないこうかもんきょう)

現実の歴史的には後漢時代の中国から輸入された鏡で、副葬品として日本でも作られるようになり、倭製鏡として多くのスタイルが存在する。その中でも太陽と北極星を図案にあしらったものを北極星太陽鏡という。また八咫鏡(八尺鏡)に似たタイプと言われる光輪模様の内行花文鏡などもある。この物語では「時の鏡」として夏見東家や香澄流家、亜空間書庫に常備されている霊威アイテム。内行花文鏡を四隅に置いて、香澄流家伝承の唱え言葉をすると季節、四季をその鏡の置かれた内側の範囲だけ自由に変化させることが出来る。亜空間書庫のものは三角縁神獣鏡、夏見東家と香澄流家のものは北極星太陽鏡(運雷文内行花紋鏡)や八咫鏡タイプの内行花文鏡などがありそれぞれ意匠いしょうが異なる。→ときのかがみ 参照


☆日月新町局(にちげつしんまちきょく)

NT(日本逓信郵配会社郵便局)の特定局。架空の郵便局。夜間は暦人達のために、時空郵政集配局として活動する。所轄は二十五から二十六世紀の総務省時間管理局で、各時代の職員はその嘱託扱い。局内の旧局舎跡に「ゆき」だけのタイムゲートを持つ。帰りは日月社のタイムゲートを使って帰社する。配達人はIDカードや郵便局の敷地内だけで通じる、時間通信トランシーバーを持っており、二十五世紀の時間管理局と交信できる。


☆念動隧道(ねんどうずいどう)

トランスポーティング・ゲート。主要御厨と亜空間書庫、時守の里を結ぶ異次元トンネル。約二時間でそれぞれの御厨に行けることから「ひととき隧道」の異名を持つ。入場には破魔矢と破魔弓が必要で、それでゲート中心を射る。ゲートはそれぞれの地域で四季のいずれかで現れる。飯倉の紅葉沢は秋に紅葉を目印に現れる。

念動隧道入口と季節ゲート



☆念動隧道絵札(ねんどうずいどうえふだ)

一勘書房の島から歌恋が託された念動隧道の略図。


ひととき隧道絵札

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