登場人物【カ行】

第4話

【カ行】


☆海束弥栄(かいそくみえ)

 3rdの第三話で活躍。釵子の現在の持ち主。正確には持ち主は山村で、お世話係といった方が良い。現職で神社、椿一宮のお手伝いをしている二十代の女性。山村とも多少の面識はある。釵子の付喪神は霊力の増す熱田へと行くために、彼女のバッグに忍び込んだり、故意に修理や清掃をさせるような手はずを整えていた。そのたびに上手く弥栄を使って熱田帰りをしていた。名前の着想は、参宮線を走る列車の名前である。ちなみにセットで「しまかぜ」という人物を出したかったが、良い案が浮かばなかったので「しまなみ」に変更した。5thの登場では山村愛珠の後任として熱田御師となる。そして職のため鈴鹿ヶ原から熱田に引っ越した。一柳御厨ひとつやなぎみくりやのタイムゲートの系譜にあるため本来は一柳御師なのだが、通称熱田御師と呼ぶ。


☆勘解由小路克二郎(かげゆこうじかつじろう)

時の翁が時の翁になる前の本名 江崎久里子、山崎靡助は姉貴分と兄貴分になる幼なじみである。

→時の翁


☆勘解由小路歌恋(かげゆこうじかれん)

暦のかみ加茂流の末裔。縦巻きウェーブロングの長い髪、ゆるふわおねえさん風の時魔女。口調もスローで反応も遅い。箒をラジコンのごとく操る。数々の秘薬を知っており、キッチンワゴンの中で研究している。普段は移動販売のクレープ屋を営む。プライベートは密かにスポーツカーを乗り回しているという噂もある。

三井みずほとは幼馴染で、彼女が怒った時は、素早く逃げるという特技がある。何故か朱藤富久を気に入っている。谷島屋春華とも顔見知りで関係は良好。一方で夏見粟斗には惚けて悪態を吐く。私怨しえんからの行動であることは間違いないのだが……。

座右の銘は「ケセラセラ」でエプロンやキッチンワゴンにもプリントしている。そのまま性格も「なんとかなる」という楽観主義者である。サードシーズンの後半から出てくる重要キャラクター。


☆香澄流櫻子(かすみながれさくらこ)

西総文理大学の大学生。太麻衣香の友人。印旛麿緒の両親公認の恋人。かつての古代伝説に登場する櫻姫伝説の子孫のひとり。相馬御厨御師の見習い。

「4th 第三話登場」


☆香澄流春男(かすみながれはるお)

相馬御厨御師。櫻子の父親。数少ない季節結界を操れる暦人御師。余命宣告を受けて、時の翁の誘いを受ける御師。

「4th 第三話登場」


☆角川栄華(かどかわえいか)・夏見栄華(なつみえいか)

 1st『Ep.-7ガーベラが包むピアニストのまごころ』に登場するピアニスト。三十代。大伯父に暦人御師の角川文吾を持つ。国際モーメント・ピアノ・コンクール受賞で凱旋帰国。セカンドシーズンでは、暦人御師修行中といったところである。音大時代に音楽教室で講師をしていた。その同僚が美瑠である。文吾の無き今、あすかの後を継いで角川家の暦人御師を引き継ぐ。また同時に時の迷い人を受けいれるためのケーキショップ「モントル」も引き継いだ。サードシーズンでは角川辞典かどかわことのりに御師の役職も店も譲っている。ファーストからサードまで全てのシーズンで活躍する登場人物である。


 普段は独身時代から乗り回すフィアット500(チンクエチェント)を愛車にしているが、希に夫のスズキ・カプチーノも運転する。自身の愛用のピアノは国産だが、スタインウェイが選択肢にある会場では選ぶことも多い。

 基本上品な性格で、言葉遣いも丁寧、優しさもある。女性としては安定した抜群なセンスの持ち主。容姿端麗、品行方正、清楚で清潔なファッションセンスと何一つ非の打ち所は無いが、料理の腕前はまるでだめである。彼女がキッチンに立ったときは、この世のものとは思えない得体の知れないものが鍋の中に潜んでいる。その辺りは夫である夏見粟斗が随分上手にカバーしている。ピアノ一筋で生きて来たため、男性への免疫力が乏しく、生まれた雛が最初に見たものを親と思うように、彼女の前に日常定期的に現れていた夏見に恋心を抱く。その恋は大伯母あすかの導きによって成就されることになる。結婚後も演奏活動は角川栄華ままで、本名は夏見栄華となる。


 ちなみに彼女のこのネーミングは、角川映画のもじりから来ている。「えいが」から「えいか」である。同様に大伯父と大伯母の名前も文庫(文吾)やアスカといった商品名のもじりだ。

 他のこの回の登場人物も同じく、ネーミングは登坂由衣や岩波文子、旺文詩枝、丸善子など出版関係の会社からのもじりであった。


 セカンドシーズンでは主役。夏見、八雲、乙女、みずほらと物語を牽引している。飯倉御厨御師として浜松町を地元に活躍。夏見と結婚後は横浜に移り、桜ヶ丘御師として、若者たちをサポートしている。サードシーズンの朱藤富久はピアニストとしての栄華の大ファンである。

①東京都港区②関東音楽大学音楽学科ピアノ専攻③お散歩④ピアノ演奏⑤演奏家⑥飯倉御厨御師(2st)・桜ヶ丘御師(3rd)


☆角川柑子(かどかわかんこ)

 栄華の三代前のご先祖様。高等女学校学生。蚕が縁で令和の足利と大正時代の浜松町を行き来している。特技は神社の狛犬と会話できること。2ndの第五話でそのユニークさが愛らしく描かれている。筆者としてはこのキャラクターを次のシーズンの主役にとも考えたが、筋立て上、彼女を伊勢に持ってくことが出来なかったので諦めた。いずれ番外編で再び彼女の活躍を描きたいと考えている。


☆角川善子(かどかわぜんこ)

 旧姓丸善子。栄華の祖母。栄華のピアノレッスンや留学の渡航費用などを支えてくれた大切な身内。若き日は不二秋助と暦人で活躍した人物。


☆金山恵弘(かなやまえこう)

 バイオリニスト。タイムゲートを封じるための禊演奏を出来る奏者。妻は多岐廉太の娘アヤメ。


☆神田西風(かんだせいふう)

 地中舞の幼なじみ。


☆吉敷大成(きしきたいせい)

 もと氷川御師。桜ヶ丘御師と同時期に設置された氷川御師は御厨外御師。氷川参道のけやきの大木の空洞うろにあるタイムゲートの管理と避難してきた過去からの人間を助けることが目的。講元宿は持たないが自宅が煎餅屋なのでその代わりをしている。けやき煎餅店の次男。十年越しの三井みずほへの憧憬恋慕を成就させ、結婚に向けて榛谷御厨の時空システムを勉強中である。




☆串灘の時巫女(くしなだのときみこ)

 伊勢を本拠地とする西日本を受け持つ時巫女。お伊勢参りの白装束の旅姿で現る。優柔不断な性格の時巫女。


☆ケイト

アメリカ人のカレンダーガール。横浜の伊勢佐木町で「モンク」という音楽喫茶を営む。今は娘にカレンダーガールを譲ったので、講元宿の管理のみである。この店、もともとは日本人のご主人が経営するミニライブ喫茶で、ジャズやクラッシックの専門店だった。ニューヨーク生まれだが、日本人の和の心をよく理解している。得意料理はおむすび。娘はハーフのエリーナ。エリーナは二十一世紀の「モンク」のオーナー兼店主だ。暦人でトランペッターの根岸英三えぎしえいぞうと恋仲になり、両親の大反対を押し切って結婚した過去がある。ちなみに最大の理解者が角川文吾。

①ニューヨーク②? ③音楽鑑賞④和食創作⑤ジャズ喫茶モンクオーナー⑥もとカレンダーガール


☆五穀いつき(ごこく)

 時の蔵人くろうど別当べっとう。時の検非違使に変わって、不穏なときの流れを探り、各時代の時間のずれなど正して、事務的な解決をして回る役人。二十三歳にしてエリートコースに乗ってこの大役を務めている。通常は二十六世紀の浜松に住み、蒲郡の月読神社や名古屋木曽新川の月読神社のタイムゲートを使って職務を遂行している。

☆刻時鍛人(こくじかぬち)

安蘇の奥地の亜空間に住む鍛造群たんぞうぐん。その昔大山猫の住んでいた足尾あしお朱岩戸あかいわどというところ、庚申山こうしんやまの中腹、胎内窟と言われる空間で、時の移動のために使う刀や鏡をつくっていた集団。庚申山から氷室山のあいだで渡良瀬川の源流水域の亜空間を移動している刀工たち。


☆御膳令二(ごぜんれいじ)

 大阪、住之江の宮の程近くにある阪堺電車の駅前、参道仲見世商店街の人形焼き屋の息子。長くバックパックひとつでヨーロッパを旅してきた。ウェールズのソルズベリ-平原近くの小さな集落で時間と異世界の手ほどきをドルイド魔法使いと精霊から教えられ、ストーンヘンジのタイムリープ現象を見守ってきた変わった経歴の持ち主。暦人と言うより、時魔女の男性版。時魔法師と呼ばれる人物。ウェールズの民族楽器であるピブゴーン、水牛の角笛から出る化身、付喪神のウェルシーを常にお伴にしている。ウェルシーはもともとケルト神話の「湖の女神」から息吹を入れられた精霊であったため、海や湖の中から多くのアイテムを取り出すことが出来る。



☆越模映美(こすもえいみ)

 麻木芹夏と同様、エピソード3からの登場である。芹夏ほど登場回数は多くなく、1st『Ep.-7ガーベラが包むピアニストのまごころ』のエンディングでは、褒められて、ご機嫌になり、角川栄華をお気に入りにした。

 三人の中では、未だファッションモデルを続けて、今や世界を飛び回っている。独身のままなので、芹夏に「行かず後家」などと揶揄されることも多いが、一流モデルの名を手に入れた今、あまり相手にしていない。

 1stのエピソード3ではマイクにまんまと一杯食わされたこともある。そのため助けてくれた山崎と葉織をとても信頼している。面倒な子どもと晴海のことを思っているので、晴海にはあまり関わらないようだ。美瑠のことは、割と気に入っているオネエサマである。

 ちなみにこちらの彼女の愛読書は『エースをねらえ!』だ。

 サードシーズンの登場人物、小宅小夜音は義妹にあたり、小夜音と夏見との会話の中で、映美は三人の中で一番まともな人という意見の一致を見ている。後の二人は浮き世離れの大金持ち阿久葉織と酒飲みの麻木芹夏のことである。

①東京都世田谷区②世田谷美術大学造形学科③マンガ読書④芹夏の扱い⑤世界的なファッションモデル⑥カレンダーガール


☆小宅印画(こだくあきえ)

 サードシーズンで初めて登場させた夏夫の母親の妹。才女で、技術職で、完璧な暦人御師というキャラクター設定は、もう随分前から出来上がっていたが、どのお話で登場させようかと悩んでいるうちに随分と月日が過ぎて、サードシーズンになってしまった。檜の柱時計の付喪神と仲が良く、普段は社長という役職を隠して、彼に社長のフリをさせている。

①三重県松阪市②超一流国立大学の工学部③財務諸表を作ること④付喪神との友好関係⑤大世古おおぜこ精密時計工房代表取締役⑥阿射賀あざか御厨


☆小宅大那(こだくだいな)

 初歩たちとははとこになる。江戸時代から分かれた分家だが、何世代かごとに両家の者が夫婦になることも多いため、現在も親戚関係を保っている。隣の特定局の局長の兄に当たる。妻の小夜音こやねは踊りの先生で、一男一女をもうけている。ガラス工芸品店の亭主で、いまは土産物屋をやっている。ここのガラス工房で作られるガラスは、霊力を持ち、アミュレットに使用される。とりわけ水時計と風鈴の霊力は抜群である。夏見と山崎とは旧知の仲で、二人を兄貴分と思っている。

①三重県伊勢市②名古屋の一流私立大学③散歩④ガラス細工作り⑤小宅土産物店店主⑥内宮前特別御師


☆小宅初歩(こだくはつほ)

不二初歩。小宅は旧姓。この物語のキーパーソン。すべてお見通しの様でいて、どこか抜けている、もと暦人御師。妹の印画に御師を譲り、結婚、夏夫の母となる。謎の多い人物で、同時代の姿を読者には見せない。

①三重県松阪市②丘の上女子大文学部③旦那様のお世話④時空関連の難問をそつなくこなすこと⑥専業主婦・元阿射賀御厨御師

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