第15話
眞冬ちゃんの話を聞いて私が思い付いたことはゆきくんにやっぱりハッキリ言うってこと。
私が好きなのはゆきくんだけだよって。
ゆきくんしか無理なんだよって。
そうすれば例えゆきくんが焦ってようとも焦ってまいとも、解決するよなって思った。
だから私はゆきくんの帰りをゆきくんの家で待つことにした。
「ゆきくんママ?
ゆきくんのお部屋、いても良いかな……?」
インターホン越しで聞くと「良いですよー」って明るく言ってくれた。
昔からの関係万歳!
そんな訳でゆきくんの部屋に一人で待っていると、なっかなかゆきくんが帰って来なくって、暇すぎてゆきくんの部屋にあるテレビを着けた。
DVDが入ってたから、レンタルの映画かなーと思って再生を押した。
そしたら。
「……あんっ、やぁ……」
「だめぇ……」
制服の女の人が教室の机の上で、半分裸になって男の人に舐められて、変な声を出していた。
「……あ、ん……」
私は驚きのあまり静止。
それから慌てて停止を押しテレビを消した。
……なに、あれっ?!
私は一回頭を整理する。
まず、このテレビはゆきくんしか見ないやつ。
ってことは、これはゆきくんが見てた訳で……。
で、さっきの女の人はどう考えても裸だった。
私は恐る恐るそのDVDを取り出し表面を見る。
『セーラー服を脱がしちゃって♪~制服美女の内緒の放課後~』
って、書いてあって、静かにそのDVDを元に戻した。
そのDVDデッキの奥に灰色のビニール袋が入ってて、引っ張り出すとその袋には『フクへ』って黒で書いてある。
そして袋の中にはまた大量のDVD。
ケースにはまた裸の女の人とか、セーラー服の女の人とか、とにかくエロい格好をしてポーズを取ってる。
私はどうするべきか分からず、とりあえずビニール袋を元の場所に戻してゆきくんの部屋を出た。
「あら?蘭ちゃん?幸也のこと待たないの?」
「……はい。宿題、とか……あるんで……」
「そう?
じゃあ、蘭ちゃんが来たって幸也に言ってお-」
「言わなくて、大丈夫」
私はゆきくんママに弱々しく笑う。
「内緒の放課後ってことで……」
誰か私にあのDVDが何なのか、こっそりで良いので教えてください。
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