き すは甘いです。
第2話
その日の私の機嫌はなんてゆうか……。
大人な感じだった!
階段を一段昇った感じだった!
「おはよう、美奈ちゃんっ!」
前の席の美奈ちゃんに明るく挨拶すると「はい、おはよう」と、笑顔で返される。
「ねぇ、美奈ちゃん!どうしようっ!」
誰にも言わないつもりだったけど美奈ちゃんの笑顔を見たら言わずにはいれなかった。
「なにが?……って、まぁ、聞かなくても何となく分かるけど」
私は美奈ちゃんの耳にそっと唇を寄せる。
そして誰にも聞こえないように小さい声で言う。
「ゆきくんと、でぃーぷきすしちゃったよー!」
キャーって顔を隠したら美奈ちゃんは素敵な笑顔で「あら、そう」と、大人に答えた。
「じゃ、今日はカレー食べよ」
美奈ちゃんがそう言ったら丁度、
「まふゆー。あんた今日ひまー?」
「え?今日も?
昨日もファミレス行ったじゃん」
耳からイヤホンを外し、まふゆちゃんはダルそうに言う。
「今月CD買わなきゃだから、お金厳しいのになぁ」
だけど私と目が合うと「ま、いっか」と、私の隣に来てくれた。
そんなまふゆちゃんに美奈ちゃんは不機嫌。
「あんた蘭に甘くない?」
「だって蘭、かわいいじゃん」
私の髪を結びながら無表情な声で言う。
「私はイケメンだけでなく美少女も好きなんだなー」
まふゆちゃんは「ね?」と、私を見た。
「変態」
「美奈には言われたくない」
二人は中学からの親友らしくとっても仲が良い。私とも仲良し!
ってゆうか自己紹介がまだだった。
知ってる人は飛ばしてね。
名前は米倉蘭。高校一年生です。
彼氏のゆきくんを追いかけ、この高校に入りました!
ゆきくんってゆうのは、頭良くて、運動できて、ギターも弾けて優しくて、とにかく素晴らしい完璧男子!
Galactic Stars《ギャラクティックスターズ》略してギャラスタのギタリストです。
ギャラスタってゆうのはレコード会社にも所属する将来有望なバンド。
そのギタリストとかスゴいよねっ!
ちなみに成績は三年生一位です!
そう、年上。二個上。
隣の家に住んでいて小さい頃からズット好き。
去年の11月くらいからやっと、付き合ってます。
以上。
簡単に分かる、ゆきくんと蘭の説明でした!
「で、蘭。昨日、何があったの?」
放課後になり隣の隣の駅の近くのカレーやさんに入ると美奈ちゃんがノリノリで聞いてきた。
「美奈ちゃん……。
そんなガツガツと聞かなくても……」
都ちゃんの言葉に美奈ちゃんは言い返す。
「ガツガツ聞きますよ!
この子にディープキス教えたの私なんですからっ!」
都ちゃんは生徒会の子で見かけはすごーく清楚で綺麗で、だけど柔道黒帯、剣道二段、合気道二段を持ってる。
しかも
美奈ちゃんはさっきも出たけれど何でも知ってる経験豊富な子。
何にも知らない私に、いつも色々教えてくれる。
あと、ゆきくんのお友達の結奈ちゃんの妹。
「とりあえず私、注文しても良い?
お腹空きすぎて死にそうなんで」
眞冬ちゃんがメニューを見ながら呟いた。
眞冬ちゃんはイケメン大好き。
恋愛は無駄な労力消費で、そんなことするくらいならかっこいい男を見てた方がよっぽど効率的なんだって。
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