ボーカル:清田文夜
第6話
教室で雑誌を読んでたらすげー興味深い記事に目がとまった。
「おい、伍樹!お前知ってるか?!」
伍樹は腕を押さえながら「何が??」と、体を俺に向ける。
朝の話によると、昨日の部活の練習でメチャメチャ速いテンポの練習を命じられて腕が筋肉痛らしい。
「良い女っつーのは良い匂いがするらしい」
伍樹は少し悩んでから納得した表情になる。
「確かに本宮先輩は石鹸みたいな匂いがする」
そしてその記事を伍樹も読みはじめた。
「鈴音先輩もたまにメチャメチャ良い匂いだよね」
伍樹の言葉に首を傾げる。
「でもあの先輩は別に俺的に特に何もだな」
「えー?」
そんな話をしながら二人で記事を見ていると。
「なかのー。本宮先輩が呼んでっぞー」
伍樹は超大きな声で「本宮先輩!!」と、駆け寄る。
伍樹に着いていってみると本宮先輩の隣にはなんと超、俺好み女の先輩が立っていた。
「あ、春日先輩もご一緒なんですね!」
「うん。中野がくれたんだってね、このチケット。お金、払うよ」
伍樹はなぜかその先輩ともかなり仲よさ気。
「平気です!」
「いやいや。
こうゆうので借りとか貸しとか嫌だし。
詩織の場合は部活ってゆう接点があるけど、私の場合はないし」
その先輩は伍樹にそう言いお金を出そうとする。
しかし、伍樹の本気の断りに渋々財布を下げた。
「嫌だな、なんか。
気、遣わせてるみたいで」
そして、俺をチラッと見る。
「この子、だれ?」
俺を指差し伍樹にそう聞いた。
「派手な金髪だね」
本宮先輩も俺のことを見るが特にノーコメント。
「校則違反じゃないの?」
そう言って笑った感じもむっちゃ俺好み。
伍樹が黙ってしまった俺をその先輩に紹介する。
「ふみやです。清田文夜。
バンドのボーカルなんです」
すると先輩は俺に更に笑顔を向ける。
「私、春日結奈。因みにB組の春日の姉だよ」
ゆなって名前も、なんか良くね?!
「ライブ行かせて頂きまーす」
何も言わない俺に代わって伍樹が頭を下げた。
「じゃ、またね」
そう言って手を振る春日結奈先輩。
「……なぁ、伍樹」
「ん?なに?」
「グレープフルーツ!」
俺の言葉に伍樹は意味不明とゆう表情。
「何の話?」
「あの先輩の匂い!グレープフルーツ!」
俺はもう一度春日先輩のことを思い出す。
「やべぇ、あの人超エロい!」
「なぁ、フミ。
まさか春日先輩のこと好きとか……」
「好きではない!でも好みではある!」
巨乳とか細すぎない感じとか、かといって太すぎない感じとか。
「触ったら絶対柔らかいだろーな……。
みたいな?!」
テンション上がる俺に伍樹は苦笑い。
「あの、フミ?実はあの先輩は-」
「やべぇ!テンション上がる!
あんな人がこの高校に存在するのかよ!」
伍樹が何か言いかけてるがそんなの知らないぜっ!
「今日の部活でカクに話そっ」
「カクじゃなくて角山先輩。
それにな、フミ。角山先輩には絶対-」
伍樹の話はシカトして俺はウキウキで席に戻った。
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