第6話

───ピッ、




俺はすぐに通話ボタンを押して携帯を耳元へ持っていく。


するとすぐに向こうから声がして、こっちから何か言う前に名前を呼ばれた。





『───森さん』


「……」


『朝早くにすみません。

…すぐ伝えないといけない案件があって』





電話の向こうの男───アキラは冷静な口調でこっちへそう告げる。



アキラは昔所属してた族の現総長で、俺の直属の後輩だった。



隣街だけじゃなくここ周辺の治安も把握していて、いつも何かしら俺の耳へ入ってくる情報は大抵がこいつからのものだ。



その情報の信頼度の高さは昔から承知してる。





────…だからこそ、嫌な予感がしたのだ。

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