第6話

「どういう子なんだ? 水川家の令嬢って」


「 “ 落ち着いた雰囲気を持ち、二十歳とは思えぬほどなんでもそつなくこなし、所作も美しい優秀な女性 ” 、だってさ」


「本当か?それ」


「俺もそう思ったんだけど、本当にその通りだった。実際本人を目の前にしたら俺の動きが止まっちゃったもん。マジで見惚れた」


「お前が?」



 大輔は、いつも周りに親しい友人だと言って女性を連れている。


 郁人も同じようなもので。


 2人共自然な会話は途切れることがなく、飽きさせないすべを持っている。


 故に、同姓異性関係なく友人も多い。


 この2人の立ち回りのうまさを見習いたいと、何度思った事か。


 その大輔が言うんだから、水川家の令嬢はその言葉通りなんだろう。



「で、彼女がこの後ピアノ弾くんだってさ」


「ピアノ?」


「賞を取った時の曲を弾いてくれるらしいよ?」


「へぇ」



 返事はしたものの、俺は音楽なんてものに興味がない。


 良し悪しも全く分からない。


 そんな俺に「お前、聴く気ないだろ」なんて笑いながら大輔が言う。

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