第5話

 だから正直、父から渡された招待状も乗り気ではなかった。


 6つも離れていては話も合わないだろう。


 でも、今の俺に断る理由がない。というか断れない。


 だから本当に参加するだけで、1時間ほど居てすぐ帰ろうと思っていた。



「よ~、匡高」


「え、大輔? お前も招待状貰ったのか?」


「勿論。謎がいっぱいの令嬢の成人祝いのパーティーなんて、来ないわけがない」


「乗り気だな」


「そういうお前は? 随分と顔が暗いじゃん?」


「兄貴の事があったのにこういうのが楽しいわけないだろ…」


「あ~。哲弥さんか。あの伽耶って子もスゲェな」


「そこは俺からはなんとも言えない」


「だろうな。悪い」



 片眼を瞑りながら、拝むように手を合わせた大輔。


「郁人もいるぞ?」と奥に親指をさせば、郁人が本日の主役に近付こうと、群がる男の周りをうろついていた。



 大輔だいすけ郁人いくとはTAKAMORIグループの後継者。


 俺と親戚関係にある。


 子供の頃から年に数回くらいしか会わなかったけど、会えば気の置けない何でも話せる間柄だった。


 お互い後継者という立場から、裏表のある俺の性格も理解してくれている。

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