第4話
“ 父親の言う事は絶対 ”
そうやって教育されて来た俺は、大学を出てすぐに、父に言われるがままこの会社に入った。
今はもうTAKAMORIグループという狭い社会で生きている。
学生の時にバイトをしなければ、広い世界なんて全く知らない男になっていたと思う。
無理矢理にでもバイトを経験しておいて良かったとさえ感じた。
無知は視野を狭める。
だから在学中に思い切って起業もした。
IT関連の小さな会社だが、そこそこ売り上げもあった。
卒業をきっかけに一緒に立ち上げた仲間に権利は全て譲ったが、今も業績は伸ばしているようだ。
だからか、昔は自分の考えで動いていたのに、今は窮屈な生活をしていると余計に実感もする。
何かのパーティーに参加すれば女性を紹介され、見合いまでさせられて。
数カ月付き合えば、縁がなかったと断ったり、断られたり。
そのあとにパーティーで顔を合わせた時は気まずいのなんのって。
「ハァ…」
表に見せる仮面を被りながら笑って。
挙句、駆け落ちされるとか。
俺は何をしているんだと、すっかりこの生活に疲れていた。
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