第24話信長の首

夏希達一行は、岐阜城へと入った。


「ささっ。武田の梅殿。夜も更けております。身を清めましょう。信長殿がお待ちです。」

織田の侍女が言った。夏希はそれに従う。

夏希は身を清めた後、衣を着るときに用意していた小刀を隠した。


信長の寝所。

(わあ。信長だ。思ったより謙信に劣らず美男子ね。)

「こよい、武田との同盟を祝って、そなたとちぎりを交わす。」

「ままっ。そんなに焦らずとも酒を飲みましょう。」

「よい。善をもってまいれ。」

「承知しました。」

侍女が言う。


信長は、着々と酒を飲んでいる。

(信長は、酒を飲まないと聞いていたのに、むちゃくちゃ強いじゃん。これでは、寝首が~。こっちは、ヘロヘロだ~。)

「武田守護神、夏希とはどういうおなごだ?」

「山県昌景の右腕だよ~ん。」

「他には?」

「赤備えに憧れてら~。」

「もっと、詳しいことを申さぬか!」

信長は、夏希の腕を捕み揺さぶる。


パサッ。


夏希のかもじが落ちた。

「赤髪、、、。そなたは、武田守護神。」

夏希はそのまま酔って寝てしまった。


「う~ん。頭痛い~。」

「そなたは、梅殿ではない。武田守護神だ。」

「私は、武田守護神では、、、かっかもじ!」

信長は、夏希のかもじを持っている。

「異世界から来たのか?異世界とはどんなところだ?」

信長は、少年のように目を輝かせている。

そんな信長を見た夏希は自身が武田守護神だと認めてしまった。

「空を飛べるのか?」

「空は飛べないけど、乗り物ならある。」

「空飛ぶ馬車か?」

「そんなようなもの。飛行機って言うの。」

「なぜ織田ではなく、武田なのだ。」

「風林火山が好きだからよ!」

「俺は、そなたが気に入った。そなたとちぎりを交わそう。」

「ちょっと待った!そういうことは、愛し合ってる者同士がするものよ!」

「そなたの世界ではそうなのか?」

「そうよ!」

信長は、黙る。

「甲斐に帰ってよい。武田との同盟もこのままで。」

「はっはい。」

(俺は、そなたを誠に手に入れる。)

夏希は、信長の心情を知らなかった。

「ドラミ。帰ろうか。」

『うん!とっとと帰ろう!』




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