第22話箕輪城攻め

「いざ、箕輪城へ向けて、出陣じゃ。」 

おびただしい武田の騎馬隊に箕輪城の農民達は、驚いている。それもそのはずだ。足軽まで、武田菱の鞍が掛かった馬を乗りこなしているのだから。


「長野業政殿!おびただしい数の武田の騎馬隊が向かっておりまする!」

「何!分かった。狙うは武田守護神のみ。」

「承知!」 


「高坂、昌豊、昌景、馬場、勘助、虎胤、箕輪城を包囲せよ。」

「承知しました。お館様。」

武田の騎馬隊は、箕輪城を包囲した。

そして、長野勢が城を打って出る。

「目指すは、武田守護神の首!」 

「ほざけ。私の首は、たやすく渡さぬ。」

「夏希、武将らしくなったな。」

「もちよ!昌景。」

打って出た長野勢に山県隊は、長野勢を蹴散らかす。他の武田の軍勢も、加わって長野勢を蹴散らかす。

やむを得ず、長野勢は城へ引き下がった。

悟った長野業政は、切腹致すので、他の兵は降伏するので、戦を終わらすと交渉に持ちかけた。 

信玄は、これを承知し、長野業政の首を待つ。

長野勢は、立派な最後をなりとげた長野業政の首を武田軍に差し出す。 

これをもって、武田軍は箕輪城を落城さするのに、成功した。

「長野業政、立派な主君じゃ。無駄な血をながさずに済んだ。のう。夏希殿。」 

「立派です。信玄。」

信玄は箕輪城城下に長野業政の首塚を作った。その行動は新たに武田領地となった良民に慕われた。

「信玄。ちょっとしか戦ってないわね。」

「戦わず勝つのが兵法なり。」

「なるほど。」

「これも、夏希殿が馬を用意してくれたおかげじゃ。」  

「私は、何も。ドラミが。」 

「夏希殿とドラミは一心同体じゃの。」

「へへっ。そんなことあるかな。」

「新たな城主は上泉信綱に任せて、我々は躑躅が崎館に移動じゃ。」 

「はい!信玄!」 

「承知!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る