第18話春日山城

春日山城。

「そなたの名は?」

「夏希。」

「まあ、酒でも飲め。」

美しい長い黒髪の美女のような男は、日差しが暖かく降り注ぐ部屋で、静に酒を飲んでいる。

(まずっ。)

「そなたは、下戸か?」

「あなたの名は?」

「上杉謙信。」

夏希は、敵陣にもかかわらず、落ち着いている。

「そなたは何故なにゆえ武田の守護神なのだ。」 


ブーッ!


夏希は酒を飲んでいる最中にびっくりしてしまった。

「何故それを?」

「天下で有名だ。武田の足軽達が道中で話しをしている。」

重臣達は、そのような真似をしないが、下々は、盛り上がっている。

「そなた、気をつけよ。そなたの首は、天下の大名達が狙っておる。次会うときは、戦場で。迎えが来ているようだ。」

「ドラミ!」

『夏希ちゃん!』

「帰っていいの?」

「良い。」

(不思議な人、、、。)


躑躅が崎館。

「昌景、落ち着けよ!」

「ああ。昌豊。」

「お館様が落ち着いているんだ。きっと大丈夫だ。」

「ああ。」


ひょっこり。


「昌景、帰って来ました!」

「お前、大丈夫か?」

「大丈夫だよ。上杉謙信が私の首は天下の大名に狙われてるって。気をつけよだって。」

「さすが、義に厚いな。」

「それだけかよ。昌景。こいつってば、落ち着きがなくて、、、。」

「昌豊!」

「ごめんなさい。心配かけて。」

「いいんだ。いいんだ。面白いから。」

「昌豊、、、さん。」

「昌豊でいいよ。」

「はっはい。」

「じゃ。二人、ごゆっくり。」


「昌景、返事は?」


ガバッ。


昌景は、夏希を抱きしめる。

「心配なんかしてねーよ!」

ぎゅぅぅぅ。

「痛い!」

昌景は、夏希を放す。そして、舌を出す。

「もうっ!」



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