第16話

心とカラダ以外ボロボロじゃん。


破れた上に血まみれ(返り血)なんて、今までやって来た、仕事の中でも、一番の汚れ具合だわ。



いつもより一時間遅くなりながら誰もない自宅に辿り着く。



いつも、ほとんど自分きりの寂しい住処。



今はそんな事はどうでも良い。



全く、今日は何て日だ。





早く着替えたい。




帰宅後、部屋に戻って着替えを始めてすぐだった。


普段、深夜にしか帰ってこないハルキが家に帰って来た。




「サクラ!!」



玄関の方から、声が聞こえた後、どたどたとこちらへ駆け寄って来る足音が響いて、間もなく私の部屋のドアがノックも無しに勢いよく開いた。



「おかえり。……そんな顔してどうしたの?」



とびきり不機嫌そうな顔で私を見るハルキ。


私はバツの悪い気分だった。



「おかえり……じゃねえよ!」



いや、この状況はハルキが『ただいま』と言うべき状況だと思うのだが、ふざけている場合ではない。



多分……。

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