第14話




「…私が絶望したのは、叶くんが茉莉を抱いた事にじゃない。」




暁の顔を見れなくて、その胸元に埋めたまま目を瞑る。




「―――私よりも、茉莉を優先した叶くんになの…。」




あの時、



気付いてしまった私の中にあった醜い感情の正体。






どろどろと沸き上がった叶くんへの激情の名前は





―――“恋愛”ではなかった。

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