第7話
ゲートを潜って外に出る。
「よし、換金は全部でいいのか?」
「はい!よろしくお願いします!」
三人で受付に行くとカゴを3個は用意してある。
「あはは。相葉様はドロップが多いですからね」
「助かります。ではコレを」
と10階層から20階層までのドロップを出して行く。
「「ふおぉぉぉ」」
二人とも凄い声を出すな。
「では32番でお待ちください」
と番号札を渡されるので二人に渡す。
「あ、俺もいいですか?」
「え?」
「俺も先に潜ってたのがあるんですよ」
「あ、わかりました」
とりあえずクラウンダガーは取っておいて他のものを出して行く。
「では33番でお待ちください」
「はい!」
二人の元に戻り、
「なんか飲むか?」
「やった!」
「ありがとうございます」
二人にジュースを買ってやり俺もコーヒーを飲む。
「今日は助かりました!ありがとうございます」
「いいよ!また一緒にやろう」
「「はい」」
二人は着替えに行って、帰って来てまた話をする。
叶は墓参りにいっているようだ。
大災害があったのは10年前の今日のことだったか。
それから30分ばかり他愛のない話をして32番がよばれて行くと。
「「ええーーーーー!!!」」
「どうした?」
と2人の元に駆けつける。
「き、金額が?!」
クリスがおどろいているし、杏は固まっている。
「金額が?」
「多い…」
「あ、あはは、なんだ、そんなことか」
俺も最初は驚いたな。
「魔石だけで300万も」
「あはは、それは全部お前たちが倒したんだろ?」
「は、はい」
結局二人は600万近くまでお金を得ることができた。
「こ、これお返しします」
と二人は200万を返しに来てくれた。
「あぁ、ありがとう!ちゃんと返してくれて」
「「はい!!」」
「じゃあ、俺の番みたいだから」
番号札を持っていくと、
「魔石が150…」
俺は200万くらいだった。
まぁゲイルベアの毛皮やミスリル鉱石は売ってないからな。
「あ、終わりましたか?」
クリスが近づいて来る。
「おぉ、待っててくれたのか?」
「はい!ご飯に行きませんか?」
「お腹ぺこぺこ」
「あはは、じゃあ行こうか」
俺はジャージ姿で二人を連れて外に出る。
タクシーを呼んで三人で焼肉に行く。
「肉肉お肉ぅー!」
「やった!」
「あはは、先に行っておいて」
「はーい!」
店の人に頼んで肉をお願いしておく。
席に着くと、
「おまたせ!さぁ、注文しようか!」
「生三つとサンチュにカクテキ、ハラミ…」
「おぉ、クリスはよく来るのか?」
「えへへ、はい」
「二人ともビール飲めるんだな」
「「もちろん」」
とまずは生が来て、
「「「カンパーイ」」」
「ぷはー!」
「うまいな!」
「美味しいです」
とここで頼んでいたものが到着する。
「お待たせしました!ミノタウルスの肉です!」
「「ええーー!!」」
「俺がさっき頼んどいた、美味しいぞ?」
「やった!食べたことない!」
「わたしも!」
大喜びの二人はミノタウルスの肉に舌鼓を打つと生を注文して上機嫌だ。
「おいっしー!」
「どうしてミノタウルスの肉を?」
クリスが聞いて来る。
「だって売るのはもったいないじゃないか?だからインベントリに入れてある。オークの肉もあるぞ?」
「たべる!」
「食べたいです!」
「じゃー、店員さん呼ばないとな!」
店員を呼ぶと店長が来てオークの肉もミノタウルスの肉と同じく売ってくれるならとワンブロック渡して切って来てもらう。
「トロッとしておいしいです」
「歯応えもあるね」
「いいね!食べさせた甲斐があるよ」
と大絶賛のうちに焼肉は終わり、会計をして外に出る。二人をタクシーに乗せると、
「今度は叶も一緒にいきましょうね」
「じゃーねー!」
と言って帰って行った。
「食べ過ぎたから歩いて帰るか」
大通りを歩いて帰っているとまた前の方で強引なナンパをしている奴らが…ってまたあいつらか。
「懲りない奴らだな?」
「な!昼間のおっさん!邪魔すんなよ!」
「はいはい!」
邪魔なおっさんは通りたいだけだからな。
「た、助けてください」
とお姉さんが二人助けを求めて来る。
「はぁ、助けないわけにはいかないじゃないか」
「いやいやあんた関係ないからさ」
と言われながらもお姉さんの前に立つ。
「と言っても4対2なわけだ?他を当たれよ?」
「ふざけんなっつーの!あったまきた!」
二人を下がらせて神速で二人の腹を殴る。
「グェ」
「ゴッ」
「っとにしつこいと俺も怒るぞ?酔ってるし」
「な、なにしたんだ?」
「さぁ?だが、ここに倒れておくか?」
「くそ!かえるぞ!」
と二人を担いで帰って行った。
「とまぁ、お二人も気をつけてな!」
「あ、ありがとうございます。あの連絡先交換しませんか?」
「あはは、おっさんはもう帰るからまたあったらね」
となぜかモテ期がきてるとか?ないか。
ゆっくり大通りを歩いて帰る。
やはり余裕があると人は優しくなれるようだな。
家に帰り着くとソファーに座ってテレビをつける。
大災害の特集が組まれていた。
あれから10年か…
モノリスが立ち始めダンジョンに人が行くようになると、それまでの法律が機能しなくなっていた。
そんな中、
東京大災害だ。
ダンジョンから溢れたモンスター達は全てを壊して周りあれで亡くなった冒険者も多い。
あれで生き残ったのは俺だけだった、親も爺ちゃんもみんな死んでしまいお骨もない。
写真だけは残っていたからなんとか供養してもらった。
あの時俺にこの力があればと思うが、そんなことは無意味で。結局はいまがある。
いま東京に住む人は何かしら思いがあると思う。
冷蔵庫からビールを出してソファーに座りテレビを見る。
あの時からずいぶん変わったが、ようやく自分も助ける側になることができたよ。
まだ弱いけどコレからを見ててくれよ。
写真には集合写真が一枚飾られてあった。
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