第2話


 今はダンジョンの5階層に来ている。

「オラっ!シッ!!」

 ここに出てくるのはサハギンだ。

 槍を使ってくるが足びれが邪魔で動きが遅いので瞬歩でサッサと倒して行く。

 ドロップにサハギンの槍と魔石を落とすのでインベントリにいれて『分解』『構築』して普通の鋼鉄の槍に変えている。


 あのあと飲んで起きたのが昼過ぎだったんで、買い物をしてから夕方にダンジョンに入って来た。


 『神眼』があればルートもわかるし罠や宝箱もわかる。『鑑定』なんていらないのだ。

 神眼様様、6階層に降りるとミノタウルスが出てくるが、瞬歩を使いこなしてる俺の敵じゃないからな!!

 斧を振り下ろすのを避けて斬っていく。

 俺の速さについて来れないミノタウルスは当然倒されていく。ドロップは肉と魔石、時々斧だ。

 オークも肉を落としたが、ミノタウルスの肉も食える。スーパーで高級肉として売ってるからな!帰ったら焼肉とビールだ!!


 それにしてもぼったくりだよな、鞘だけで20万もしたぞ?まぁ、これからは自分で作るけどさ!

 いまだにジャージで来てるのは俺くらいか、でも、またレザーアーマーなんか買うと金が飛ぶしなぁ。確か10階層でボスだったからそれまでにどうにかしないとな。

 と思いながらミノタウルスを斬ってドロップをインベントリに入れて行く。


 7階層に入るとグールだ、こいつらはゾンビみたいなもんで首を刎ねないと消えてくれないし数が多い!

「っとに!魔石以外を落とさないのになんでこんなに数が多いんだよ!」

 とここで『神眼』が宝箱を見つけたのでそこに向かう。

「やった!宝箱だ!」

 グールを全部倒してから宝箱に近づくと、罠があるのでそれを解除する。『神眼』で罠の解除もできるのはいいな!

 手をスリスリ、お宝は何かな?

 と開けてみるとレザーアーマーだった。

 少しがっかりしたが、買うことを考えたらまぁ、トントンだろうな。


「パージ!おぉ!」

 普通のレザーアーマーは魔法が付与されていないので着けづらいが、これは宝箱から出たものなので魔法が付与されていて大きさが変わるのだ!


 これも『神眼』がないと知らなかったけどね。

「フィット」

 ジャージの上からだから不恰好だが、守られてる感が凄いな!

 「よっしゃ!今日は10階層までいくぞ!」

 9階層はオークソルジャーで鎧を纏っているのでそこ以外を傷つけて行くしかない。

 まぁ、動きはオークより遅いので首を斬ってやると一撃だからな!

 ドロップに肉と魔石、あとは鎧なんかも落とすのでインベントリに入れておく。

 『分解』してどうなるかが楽しみだ!


 ようやく10階層。

 ここまで8時間は経ってるな。ボス部屋の前で少し休憩だ。

「ふぅー、スポドリが体に染み渡るねぇ」

 さて、10階層のボスはリザードマンらしいので気合いを入れて倒しに行く。

「シッ!いくぞ!」

 扉を開けるとリザードマンが二体もいた。

「くそ、イレギュラーか?」

 黒いリザードマンと緑のリザードマンだ。

 とりあえず緑を狙って瞬歩で斬りつける

 一撃で消えたのであっちが強いってことか!

「えっ!ウガッ!!」

 隣を見るとリザードマンがいて殴られて壁に激突した。

「いつつ、この野郎!」

 肋が折れたかな?ズキズキと痛む。

 瞬歩を使い接近して攻撃すると悉く弾かれて今度は蹴られる。

「ぐあっ!!」

 くそ!集中だ!あいつの弱点を探さないとな!

 黒いリザードマンが動き出すのでこちらも動いて『集中』で同じところを傷つけるように斬る。

『グギャァァ』

「うっせぇ!!こっちだっていてぇんだよ!」

 隙ができたので尻尾を斬り落とすと、動きがおかしくなった!ここぞとばかりに攻め込んで最後は首を斬り、倒すことに成功した。


 ドロップに黒いレザーアーマーと拳大の魔石。緑のリザードマンからは皮と一回り小さな魔石だった。


 そして宝箱がでてきて、そこからはポーション5本セットが入っていた。


「あー、売りたい!!これ売りたいけど、痛いんだよー!!」

 脇腹がズクズクと痛むのでしょうがないからポーションを飲む。

「まじぃぃ…」

 でも痛みは引いたので残り4本のポーションもインベントリに入れておく。

 一本を『分解』してみるが薬草なんてないので『構築』で元に戻しておく。

 11階層に行く階段前のモノリスに触って1階層に戻ると、冒険者証を通してゲートをくぐりギルドに入る。


「ふぅ、さて、売るか」

 受付に行くともう1月4日なので人が増えて来てるな。

 自分の番になったので、

「ドロップを売りたいんですけど」

「はい!ここに出してください」

「あ、カゴを用意しといてください」

「え、あ、はい」

“ドサー”

 と入れて行くのは魔石だ。

 今日は3カゴはいくかな?

「あ、え、ちょっと待ってください」

 と新しいカゴを取りに行く。


 魔石を出し切って、あとは鋼鉄の槍を11本、鋼鉄の剣を7本売りに出す。

 今回は多いので番号札をもらい後ろで座って待つ。


 1時間ほどかかってようやく呼ばれ、魔石だけで200万を超えて、槍が50万、剣が40万で売れたので、1000万近くになった!

 しかもE級のカードに上がったので新しくなった。

 冒険者証はキャッシュカードにもなっているので、カードに入れてもらい最高の気分でギルドから出る。


 レザーアーマーもインベントリに入れてジャージ姿のおっさんに変わったが、誰も俺のことを見てる奴はいないしな!

 更衣室に置いてあるダウンを着て帰る。

 あぁ、早く帰ってビールだな!

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