冒険、それも生きて帰れるか分からない真の冒険に出たくはありませんか?

君(きみ)と呼ぶべき年齢でも、敬意を表して貴方(あなた)と呼びましょう。

国はおろか世界の歴史に名を残す生きた伝説である師匠から学びながら、一つの塔の中で生きていければ幸せだと思っていたのに。追い出されるとは思いもせずに。

師匠から沢山の知識を授かりましたが、外界に出てみると、貴方が持つものは知恵と呼ぶには程遠くて。我が身の至らなさに臍を噛むばかり。人間の世界を脅かす魔物に対峙した際の戦い方も、幻獣に出会ったときに振る舞い方も分かりません。そして同様の年頃でありながら戦斧を振り敵を撃滅する少女に出会ったときの対応も。

でも悲しいばかりではないのです。暇がないのとは真逆に、出会う人達は危機においても笑っているような猛者ばかりで。貴方は、戸惑い呆れるというか、笑って誤魔化す他になくなるというか。そんな馬鹿馬鹿しい振る舞いに自分の心が助けられていることに気づいたりして。

世界は、広くて、深くて、とてつもなく深くて。人類と魔物の歴史。双方を生んだ神の歴史。そして貴方が目指した魔術師が行使する力の源泉は神が残したもの。魔術を学ぶとは神から繋がる歴史を学ぶこと。そして人間の知恵によって使い方を広げていくこと。

追い出されたとは言え、お師匠様が貴方を選んだのは理由があったのでしょう。自分で謙遜しても、周囲からは知恵があると見られ、師匠と呼ばれることも。たしかに貴方は自ら考えて進める人間です。

そんな貴方も、年頃の女の子の扱いは惑うばかりの様子ですが。

貴方は、その女の子と手を取って進めますか? その横に幻獣を従えて。

そう問われて、貴方は現代に生きる一介の読者に過ぎないと気づきます。ここまで語られたのは、ただのお話。紙の本ではなく、ネットの Web ページに記述された一つの小説。

冒険、それも生きて帰れるか分からない真の冒険に出たくはありませんか?
我が身を現代に置きつつ、心を物語の世界に飛ばして。

ページを開けば、とは申しません。リンクをタップかクリックすれば、冒険が始まります。

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