第7話 不協和音
無事(?)間宮さんとの話を終えた俺。
あとは木滝さんの練習に付き合うだけ......なのだが、木滝さんの様子がおかしい。
俺の自意識過剰なのかもしれないが、木滝さんに避けられている気がする。
学校生活の中で、あまり話さないというのならわかる。ただ、俺がロッカーから教科書を取り出すために移動したり、ホワイトボードを見に行くために移動すると、木滝さんが俺とは逆に方向に行くのだ。
木滝さんがそっちに用があるのなら、それは本当に俺の自意識過剰だが、木滝さんは俺とは逆の方へ移動しても何かしている訳では無い。
避けられるようなことはしていないのだ、おそらく俺の気にしすぎだ。俺はそう結論付けた。
□
なぜつまらない授業の時だけ、こんなにも時の流れが遅いのだろうか.....
そう思いながら、俺は日曜日に約束した音楽室へ行くことにした。
どうやら吹奏楽は、誰もいなくなった教室を使うことが多いらしく、音楽室は滅多に使わないらしい。
そして、昼休みに時たま聞こえるピアノの音は、先生がただ暇だから弾いているだけらしい。
なので音楽室を使うのは、特に問題は無いらしい。
少しの眠気を抑え、音楽室に入るが誰もいない。
「あれ?おかしいな......」
木滝さんは俺よりも早く教室を出たはずだ。
どっかで誰かと話しているのか......
そう思い、待つことにした。
□
私はどうすればいいのだろう。
昼休み、私は優香ちゃんと真波くんのやり取りをはっきりとは聞いていないけど聞いてしまった。
優香ちゃん必死そうな声、真波くんの「わかった」という一言......
優香ちゃんは八葉矢くんのことが好きだったはずだ。だけど、優香ちゃんは真波くんと屋上で話してた。
それはきっと━━━━━
そう思うと、胸が痛くなる。
この先を想像したくないし、知りたくない。
けどこれは現実だ。多分私は邪魔な存在だと思う。優香ちゃんにとっても、真波くんにとっても━━━━━
「ごめん、真波くん。私やっぱり、今日は行けないや」
そこに真波くんはいない。だからどれだけ謝ってもそれは独り言でしかない。けど、真波くんと顔を合わせてそう言うのは、今は出来そうにない。
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