第12話
先輩の声や表情は素っ気ないけれど、私の事を知っている訳でもないのに助けてくれたのは紛れもなく先輩の優しさで、それはじんわりと私の心を温かくした。
「あの、ここまでで大丈夫です」
15分程歩いた所で家の1番近くのコンビニの駐車場につき、私はそう言って先輩に振り向いた。
「ん?ここから近いのか?」
「はい、だからここまでで大丈夫です」
「つっても道暗いだろ、家まで送ってく」
気を使った先輩の言葉に私は首を振った。
「本当に大丈夫です!わざわざ送っていただいてすみません。」
私はそう微笑んだ。
「…分かった。じゃあ携帯出せ」
先輩は納得いかない様子だったけれど渋々了承した後突拍子もないことを言ったものだから、私は言われた意味が分からず首を傾げた。
「番号言うから、家に着いたらかけてこい」
「え?」
想定外の言葉に私は戸惑った声を出した。
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