第4話

結局、一華は一年E組。

梓はF組だった。



「そんなに落ちこまないでよ、一華。」


「だってぇ、不安なんだもん」



梓は一華のデコを叩いた



「しっかりしなさい!大丈夫だから!ね!怖がってたら中学の二の舞よ?あんたは可愛いJKなんだから!」



「うん!」



一華が緊張しながらE組の教室に入ると、まだ誰も来ていなかった。



自分の机に名前シールが貼られている、ということなので、探すと窓際一番後ろの席にあった。




「あった!窓際の一番後ろ、やった!」




すると、後ろから声がした。




「お、俺の席ここだ。」




振り向くと長めの髪に彫りが少し深い男子が立っていた。





一華は目があった瞬間、今までに感じたことのない鼓動を感じた。












初めての感情と、出会ってしまった。







少し堀が深くて、サラサラのちょっと長めの髪、透き通るような瞳に、圧倒された。









「はじめまして。隣の席だね。よろしく。」




「は、はじめまして。こっ、小山一華こやまいちかです。」





緊張して噛んでしまった。

男子は笑う。




「こっこやまさん?」


「小山です!」


「嘘嘘。覚えた。小山一華さんね。あだ名はこっこで決定!」


「え!」


「仲良くしようね!俺、佐原和央さはらかずお。よろしくね。」




「よろしく。」




ちょっと爽やかでカッコいい男の子は佐原くんというようだ。





和央はカバンを置いて、スマホをいじり始めた。





一華も座ってスマホを触り始める。





和央はそんな一華の横顔をチラリと見つめた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る