第21話 公園 2

「…あそぼ」

「えっ」


杏奈ちゃんが唐突に見知らぬ女の子に話しかける。


「…」

「…」


気まずいな、杏奈ちゃん自分で声をかけたんだからもう少し話してくれ。2人とも沈黙が長いのでフォローをいれる。


「え〜と、もしよかったら私たちと遊ばないかな?」


男の子だとバレないように声を少し高くする。


「うんあそぼー」


断られなくてよかった、


「じゃあ何して遊ぼっか?えーとお名前は何て言うの?私は宵崎ミクね。そして声をかけた女の子が杏奈・クリスティーナっていうの」

「…よろしく」

「フタバは柚汐双葉ユノシオフタバていうの。ミクちゃんと杏奈ちゃんね」

「双葉ちゃんねよろしく、それで何して遊ぶ?」


本当に何して遊ぼうか?


「じゃあボールで遊ぼっか」


ボールをバレーのオーバーハンドパスで周す。


「そういえば2りはしりあいなの?」

「うん、私と杏奈ちゃんはねー家が隣なの」

「いいなー、フタバもおうちどうしがとなりのおともだちほしい」

「…双葉ちゃんはひとりできたの?」


杏奈ちゃんが来たそれは思っていた、子供1人で公園来たのか。流石に公園に1人で事故に会うかもしれないから親は行かせないだろうし。


「おかーさんはいえにいる」

「えっ!1人で来たの?」

「うん、おうちがそこのマンションだから」


ああ隣接するマンションに住んでるからか。それなら横断歩道を通らないから家庭によっては許可を出すだろう。…もしかして部屋の窓から見ているのだろうか?


「…双葉ちゃんはいつもここにくるの?」


杏奈ちゃんが全員が沈黙にならないようにさかさず次の話題を始める。


「うんよく来るよ〜」

「どのくらいのペースで来るの?」

「でもしゅうに3かいくらいだよ」

「結構多いね」


週に3回来るってことは保育施設には行っていないのだろう。


「2りはようちえんいってるの?」

「毎日行ってるよ」

「いいな〜いつかいきたい」


そんな何げない会話をしていると気が抜けてしまう。


「それにしてもミクちゃんのすこしこえひくーいね」


気を抜いて普通に話し始めていて、男の子だとバレてしまう。あと2人ともボールに回転かけてこちらに渡さないでくれ。


「えー私って声が低くてよく男の子の声って言われるの双葉ちゃんは男の子の声聞いたことがある」

「フタバはね〜え、おとうさんがいるからきいたことあるの」

「へーそれはいいねー」


お父さんがいるって何気に初めて聞いたな。まぁ幼稚園のみんなの親がどうかは知らないが。その後はボールを転がしたりして遊んだ。

鴉の鳴き声が聞こえてくる。


「そろそろごはんのじかんだからかえるね」

「ありがとうね一緒に遊んでくれて。また会ったとき遊ぼうね」

「…ありがと」

「うん」


そう言い解散をし鬼頭院さんを呼び家に帰る。これが公園デビューの出来事だ。

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