第8話 過剰戦力
基地についてカウンターで鏡子さんが受付をしている間にお手洗いを借りた。すごい吐いた。ロビーに戻るさなか考えていたのだが、あの運転は殺人的だと思う。鏡子さんは「私はサポート専門だから。」なんて言っていたけど、どう考えてもあの人の異能は戦闘向きだろう。
「まあ、白夜さんとか朱兎先輩がいるんだからそっちにまわるのは自然か。」
そう結論付けた時背後から叩かれて。
「やあ、憶人クン。私は瞳、神林 瞳だ。まあ知ってるだろうから自己紹介は省かせてもらう。早速だが、うちの隊員たちと手合わせをしてもらおうか。」
振り向くと、白い軍服(下はスカート)を着た銀髪ロりがいた。誰だよとは言えない。だってこの人は国が管理する
「なら鏡子さんに話をつけてきてください。」
だからってこびへつらうつもりはない。だって、
「やだやだ、めんどくさい。だってあの子すぐに私に説教するんだもん。」
ニュースでもそうだが中身が見た目相応なのだ。朱兎先輩の方がまだ大人だぞ。
「な~に~し~て~る~の~か~な~(#^ω^)。」
「はわ、はわわわ。」
ひょいっとロープツクモンに縛り上げられる最強。ははは、ご愁傷様。あのツクモンに縛られてる間は能力が一切使えないから、自力で縄抜けできない時点で負け確定なんだよな。
「酷いじゃないか。昔は私の方がお姉さんしてたのに、今ではすっかり鏡子ちゃんがお姉さんキャラでさ。」
「話を逸らさない。まったく、いつまでも変わらないんだから。憶人君、先に行ってて。宇野さん、案内お願いします。」
すると宇野と呼ばれた褐色マッチョが僕の方に歩いてきた。
「ははは、瞳ちゃんが迷惑かけたね。根はいい子だから許してあげてくれ。」
「はあ。」
この人は見た目と違ってちゃんと年相応の常識のある大人だった。途中で今回の任務に説明された。APFと治安維持隊の能力者が手合わせし、双方の隊員の強化を目的としたものらしい。ん?なら鏡子さんの説教はやり過ぎでは?と思ったがまあ銀髪ロりだしなとスルーした。そして、連れられるまま奥に奥にと進んでいき、一面コードが張り巡らせられた近未来的な区画に入り、
「これに乗って地下へ向かおう。」
案内されたのはエレベーター。広い土地の割に何もないと思ったら、APFの拠点は地下だったらしい。それにかなり地下深くだな。300mってところか?朱兎先輩との組手でGだけで距離もわかるようになってきたけど確信はない。
「うわあ、広いですね。」
エレベーターが停止し、前の扉が開く。その先の光景に僕は驚いた。
「ああ、ここは非戦闘系の能力者エンジニアに作ってもらった空間だからね。建材の強度が高いから支柱が要らないんだ。すごいだろ。」
だから、AFPの基地は住宅街の真ん中にあったのか。訓練だってこの空間でやれば近隣住民に迷惑をかけないし、いざというときの避難場所にも最適だ。っと感心していたら。
「死ねええ、朱兎~!!」
そう言って突如体にもの凄いG を感じ振り回される。回転の中心の方を見ると、宇野さんの来ている軍服風の制服を着た女がいた。金髪ツインテール?絶対、ツンデレだっていじられてるんだろうな。。色はカーキ。ふーん、そこまでの相手じゃないんだろうな。おおよそ、先輩にぼこぼこにされて不意打ちでもいいから攻撃したかったんだろうな。だけど、この感じじゃあね。
「お前、バカだろ。」
僕は能力を発動して少し回転軌道から外れる。すると思った通り、G はなかった。きっと、回転軌道を作ってそれに触れたら振り回されるっていう異能なんだろう。ハッキリ言ってタイマン向けの異能じゃない。この異能は仲間の援護に使うのに向いている。足場だとか緊急回避だとか。自分の異能の通読みもわかってないんだ。そりゃ朱兎先輩には勝てないよな。スタッと着地して相対する。
「・・・カって言ったな。」
「ん?なんて?」
「バカって言ったなあ!!」
再び僕にG がかかる。また
「
で背後に回る。か~ら~の~。
「
詠唱で背後にいると気付かれたが問題ない。
「はっ!!」
先輩に教わったサマーソルトを顎に一発。シュッと顎に掠っただけだが脳震盪を起こしたのかそのまま目を回して倒れてしまった。
「はっはっは、返り討ちにされてざまあねえな。」
そう勝利に酔いしれていると。
「むぐぐぐー!!」
ロープだと。ってことは鏡子さん!!ヤバい。あの人やり過ぎると怒るんだよ。って、
「憶人君(#^ω^)、何か弁明はある?」
異能も使えない人間に無数のナイフツクモンとフォークツクモンを向けるなよ。それはもう質問じゃなくて尋問だから。
「きゃはははは、ざまあねえ。さっき私を見殺しにしたからだ。」
覚えとけよ、銀髪ロり。あとで絶対にぶっ飛ばす。僕の全魔力を以てお前をぶっ飛ばす。
「ふぐぐ~!!」
まずはこのロープをどうにかするとこからだな。
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