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第22話
【碧side】
「蘭……蘭……あぁ早く……」
早く早く蘭をこの家に閉じ込めないと。俺以外の奴に見れないように。
触れられないように。
蘭が俺以外を見ないように、考えないように。
「ねぇ、蘭は俺だけが大事だよね」
ーー早く俺の気持ちに気付いてよ。
こんなにも苦しいのを終わりにして。
▫️
久々に大学に行けたのはいい。でも周りの目があるのに終始ベッタリと張り付く碧くんには困ったものだ。
「碧くん、歩きにくいよ……」
そんなに隣とはいえぴったりとくっついていたら転んでしまいそうだ。
「じゃあ、抱っこしてあげようか?」
「駄目だよ。そんな余計に目立つこと」
ただでさえ好奇の目に晒されているのに、抱っこされて歩いていたなんて余計目立ってしまう。
後帰るだけなのに碧くんは少し……いや、かなり不機嫌な様子だ。
これはまた暫く大学に行けないかもしれない…………。
「蘭と2人きりで過ごしていたいのに。蘭のことを見る奴ら全員どうにかしてやりたい」
「っ、も、もう帰るだけだから! そしたらまた2人きりになれるでしょう?」
物騒なことを剣呑な目で呟く碧くんに慌てる。実際には出来ないだろうけど、碧くんなら本当に何かしてしまいそうで怖い。
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