第20話

その後もグダグダと碧くんのされるがままになって。漸く碧くんが私を解放したのは身支度してからもう大分経ってしまった頃だった。



「はっ、は……」


身体を弄られ、身体を繋げないとしてもイかされてしまって。

快感で身体が重い。

荒い呼吸を整えていると、碧くんに涙を指で払われた。



「可愛い」


「碧く、」


「あぁ、残念だけど今日の講義はもう終わっちゃったね」


碧くんは眉を下げ申し訳なさそうな顔をして、スマホの待ち受け画面を見せてきた。

時刻は確かにもう私たちが受ける筈だった講義の時間はとうに過ぎていた。


今日も休むことになってしまった……。


ハァと息を吐きながら、堪らず目を瞑る。

このままじゃ、留年なんて考えたくないけどしてしてしまいそうだ。


単位取らなきゃいけないのに。



「碧くん、今度はちゃんと大学に行くって約束して?」


「…………蘭は大学、大学って直ぐに言うね」


「だ、だって、大学に行くのもお金かかってるんだよ? 碧くんのご両親のおかげで通えているのに」



碧くんに大学は行かないで欲しいと言われていた。

進学することを諦めていた所に、碧くんのお父さんが私も大学に行った方がいいと言ってくれたおかげで行けるようになったのに。


これでは意味が無い。



「蘭俺が大事じゃないの? 俺が1番じゃないの?」


「そ、そういう話では……」


「酷いよ。こんなにも俺は蘭の事だけ考えて想っているのに」



碧くんがはらはらと涙を零し責めてくる。ギョッとして慌てて碧くんを抱き締めた。

この場にカッターとか無くて良かった。もしかしたらまた自分のこと痛めつけたかもしれないから。



「私が大事なのは碧くんだけだよ。私も碧くんだけ想っているから」


「蘭……」


「碧くん、ごめんね……」


顔を埋めて抱き締め返してくる碧くんの頭を梳くように撫でる。

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