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第18話
「碧くん、大学行こう?」
チュ、チュ、と繰り返し私の首筋や胸元に顔を埋め痕を付けてくる碧くんに何とか訴える。
歯を立てながら吸い付かれるから痛いけど、碧くんのすることを否定してはいけない。
碧くんのこと否定してしまったら、直ぐにでも自分のことを痛めつけてしまうから。
手首を自分で切ってその血を浴びたのはトラウマだ。
時間は一刻一刻と講義の時間が迫っている。
お互いに着替えも済んで、行ける準備も済んでるのに。
碧くんは外に出たくないのか、痕を付ける行為をし始めた。
そんなに痕を付けなくたって私は碧くんだけのものなのに。
ため息をつきそうになるのを堪えて、碧くんのサラサラな髪を梳くように触れると。
顔を上げた碧くんに唇を重ねられた。
「んっ、ん、」
ぐっと押し付けられた唇に吐息をもらす。
角度を変え、深くなっていく口付けに慌てて顔を背けてキスから逃れた。
「蘭」
「っ、だ、ダメだよ、今日は大学に行くって約束でしょう?」
仄暗い瞳で私を見つめる碧くんに吃りながらもそう言うと。ガブ、と口端を噛まれた。
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