第34話

「春香そんな表情を見せたら、余計虐めたくなるよ」


「っ、」




詩音が私の顎を掴み口元に弧を描かせた。そして軽く口付けてくる。

直ぐに唇は離れたけど、それだけで済むわけがなくて。


再び口付けらてしまう。口だけは開けまいと必死に耐えていると、蓮音に胸を触られ堪らず口を開いてしまった。


「っ、は! んんっ、んぅ!?」


その隙を逃すわけがなく、詩音の舌が入ってきてしまう。


ビクッと身体を跳ねらせ、耐えるように詩音にしがみつくとクスクスと蓮音が笑う。


背後に回った蓮音がうなじに顔を埋め、甘噛みする。ゾクリとした快感が身体に走り、震えてしまう。


更に詩音の舌が口内を好き勝手に犯していき、目尻に生理的な涙が溢れた。


「ハルちゃん可愛いーね。そんなにキスとうなじを噛まれるのが気持ちいーんだ?」



詩音が耳元に唇を寄せて笑う。低い声音で囁かれ、鳥肌を立たせた。


違う、とは言えない。

だって、もうこの身体は……私の意志とは裏腹に彼らから与えられる刺激に反応するようになってしまったから。


自分の身体なのにコントロール出来ないのが悔しい。

2人に身体を暴かれ、抵抗なんてできない。



「春香、いっぱい鳴いて?」


「ハルちゃんいっぱい感じてね」



2人からの狂気を孕んだ瞳に覚悟をするしか無かった。

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