第33話
「やっ、」
慌てて嫌だと首を横に振ろうとしたけど、詩音が背後に周り項に噛み付かれてしまった。
「いった、」
容赦ない力で噛まれ、痛みに呻くと詩音が私の服に手をかけた。
「し、詩音!」
「ん? どうしたの春香」
「何しようとしてるの」
不思議そうな声を出す詩音の手を慌てて押える。こんな所で服を脱がされたら何をされるか一目瞭然だ。
もう身体はクタクタなのだから、今度は2人がかりでだなんて断固拒否したい所だ。
「ハルちゃん僕達はハルちゃんの為なら何だってしてあげるんだよ?」
「っ、」
蓮音の低い声にビクッと肩を揺らす。
息を飲んで目線を正面へと向けると、そこには冷たい笑みを浮かべて暗く淀んだ瞳をしている蓮音がいた。
「僕達を拒絶するなんて許さないよハルちゃん」
その言葉に、私は身体を強ばらせた。
「春香は大人しくしていればいいだけなんだ」
詩音に服を脱がされ、また裸姿になってしまった。
眠れなかっただけだったのに、なんでまたこんな事になってしまったのか。
結局は、この双子のされるがままになっているしかなくて。
絶望に顔を青ざめる。
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