双子の狂気
第28話
蓮音と詩音に閉じ込められるようになって、どのくらい経ったんだろう。
薄らと目を開けると、窮屈さを感じる。
3人で一緒に寝ても有り余るくらい大きいベッドだというのに、双子の間に挟まれてかつぎゅうぎゅうに抱きしめられていれば、いくらベッドが大きくても狭いのと変わらない。
寝返りすらうてない窮屈さに、無意識にため息をつく。
双子とはいえ、性格は違う。
右には詩音、左には蓮音が寝ていて交互に2人を見るけど寝ていれば脅威を感じない。
どちらもこんな状況にあっていなければ見蕩れてしまう程綺麗な顔をしている。
眠ると少し幼さがある2人は、何故か私に執着する。弟を脅しにされ、契約書を書かされた。
あの契約書がある以上、弟のことは手を出さないと言ってくれたけどいまいち信用出来ないでいた。
それもその筈だ。
2人と出会ってまだ間もないし、私は2人のことを名前以外何も知らないことに気付く。
蓮音と詩音かどんな仕事をしているのか。
ただ、私1人のことを閉じ込めることが出来るような財力があるのは分かるけれど……。
「ハルちゃん眠れないの?」
「ーーっ!」
ぼんやりと淡い光を照らすランプを見つめていると、ふと左から声がした。
ドキッとして、顔を向けると。
そこには眠そうな顔をした蓮音が私を見ていた。
「まだ夜中だよ」
「蓮音……。」
ここは外が見えないように遮断されているから分からないけれど、きっとそうなのだろう。
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