第19話
「よく出来ましたー」
書いてしまった後に放心していると、するりと取られた紙。
幼い子にするように頭を撫でて、詩音が先程とは真逆の明るい笑みを浮かべた。
「これでもう春香は本当に俺たちのものだね」
「そうだね。あぁ、嬉しいなぁ! ずっと欲しかったもんねぇ」
「何があってもこれにサインした以上覆せない。ようやく……手に入れた」
「まぁ、ハルちゃんの弟は殺したいくらいムカつくけどー、約束だからねー。気が向いたら会わせてあげるよ」
私を置いてけぼりにしてはしゃぐ双子に、私は取り返しのつかないことをしてしまったのだと改めて実感する。
そうして私はその契約書通り、この家に監禁されることを自ら受容してしまった。
もう後悔した時には遅すぎた……。
【閉じ込められた小鳥】
最悪な監禁生活の幕開け
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