第14話
勝手に解釈している蓮音に、震えながら顔を横に振る。
襲われるのは嫌だけど、乱暴にされるのはもっと嫌だった。
残虐的な笑みを浮かべる蓮音に、逃げようと後退りしたくなる。
今日は泣いてばかりだと思いながらも、涙が零れてしまう。
「春香、動かないでね」
「え、あ、」
詩音の言葉に目を見開くと、その手にある物に血の気が引いて冷や汗が出てくる。
まさか、本当に……。
「や、ご、ごめんなさいっ! ぬ、脱ぎます、だから、辞めてっ」
ハサミを持ち、閉じたり開いたり繰り返して、服の裾を掴んだ詩音に恐怖のあまり悲鳴混じりの声を上げた。
その途端、シーンと静まり返る。
強く瞑っていた目を恐る恐る開けると、何を考えているのか分からない表情をした2人が私を見つめていた。
「自分から脱ぎたいって言うなんて変態だなーハルちゃん。 じゃあ、早く脱いでねー♪」
「しょうがないから春香が脱ぐところちゃんと見ててあげるよ」
私から手を離し、2人は少し離れるとベッドの上に腰掛けた。
ハサミが離れたことに安堵するけれど、その発言に自分が取り返しのつかないことを言ってしまったと後悔する。
ジッと見つめられ、身体が固まって動くことが出来ない。
「早く、自分から言ったんでしょ?」
「それともやっぱりハサミで切った方がいい?」
詩音が手放したハサミを今度は蓮音が持って刃先を向けてくる。
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