第4話
一応この部屋全体は動けるように足枷の鎖の長さは調整してあるみたいだけれど、不快であることには変わりない。
「何処ですか、ここ……」
「うんうん♪ 気に入ってくれたみたいでよかったよ」
「……(そんなこと一言も言ってないのに)」
回答になってない返事を貰い、目を伏せる。
天蓋ベッドというのだろうか。
無駄に豪華にされているけれど、今まで平凡に過ごしてきた私にとって居心地悪いだけだ。
「お腹空いてない?」
「え、」
突然の質問に、首を傾げる。
「あぁ、そうだよ!ハルちゃんお腹空いたでしょ?詩音のご飯美味しいから食べてよ♪」
「春香の為に作ったから食べて」
こんな状況なのに、お腹なんて空く筈がなく。
かと言っていらない、と言えるほど度胸があるわけがない。
話が通じない2人に言ったどころで意味が無いだろう。
そして目の前に豪華な料理が並べられていくのを見つめることしか出来なかった。
これを全て手作りしたというのが凄い。
唖然としている私に、黒髪の人が近寄ると手を取られた。
「っ、な、なに?」
「手。拭かないとね」
そう言ったかと思うと、おしぼりで手を拭かれた。
そんなことされたことがないから驚く。
「はい、口開けて♪」
次は茶髪の人が箸で料理を掴むと、口を開けるよう言ってきた。
「っ!?あ、あの自分で食べられます……」
「ハルちゃんが動く必要ないよ♪僕達がぜーんぶやってあげるからね!」
「そうだよ。春香はただここに居るだけでいいから。後は俺達がしてあげる」
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