第13話
♢
「……ひ、酷い……何で私がこんな……っ」
抵抗はした。
嫌だと、考え直して欲しいと何度も訴えた。
だけど、2人は全くその言葉を聞こうとせず逆に責められた。
何で私が2人に責められなきゃいけないのか分からず、泣いてしまう。
するとタブレットを見せられ、画像には玲央くんに押し倒されて青ざめながら泣いている里奈の姿で。
ひゅ、と吐息をもらした私に佐久間さんが嘲笑いながら耳元へと唇を寄せてきた。
「里奈ちゃんが大事なんだよね? 紗奈ちゃんが里奈ちゃんを育ててあげたようなものだものね。これ、悪用されたくないでしょ?」
「っ!! や、止めてっ! 里奈は、里奈は関係ない……」
「うんうん。里奈ちゃんは確かに俺たちには関係ないよね。でも、紗奈ちゃんが抵抗とかするようなら、関係あるんだよね」
「うぅ、止めて……」
そんな里奈を巻き込むなんて酷い。
こんなの脅しだ。
「はは。紗奈泣いてる。可愛い。もっと泣かせたい」
弟さんが私の涙で濡れた顔を見て笑う。
そして顔を近づけられ、唇を奪われた。
顔を離そうとすると、佐久間さんに耳朶を噛まれた。
「んっ! いっ……ーー」
「紗奈ちゃんの言葉1つでこれ、消して上げてもいーんだけどどうしよーか」
「っ……」
その言葉に大きく目を見開く。
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