第2話
「紗奈ちゃんはーどこに住んでるの?」
「ぅえ!? 」
佐久間さんから視線を逸らし、ジュースをまた1口飲むとまるで視線を逸らすのを許さないとばかりの視線を向けてそんなことを聞かれた。
初対面でどこに住んでるの、って……普通そんなこと聞くかな?
私がどこに住んでようと佐久間さんには関係ないよね。
「あ〜……今ここにいる地域の周辺ですかね」
「へぇ。じゃあ、俺の家と近いんだ。嬉しいな、なんか運命を感じる」
「えぇ……。佐久間さんもこの辺なんですね」
「うん。兄弟と一緒に住んでるんだ。弟が2人いる。あ、紗奈ちゃんは? 兄弟いるの?」
「えっと、妹が1人いますね」
「じゃあ紗奈ちゃんお姉ちゃんなんだ。確かにお姉さんっぽいもんね。紗奈ちゃんに似て可愛いんだろうね。でも俺は紗奈ちゃんにとても興味あるなぁ」
「…………、」
ぐいぐい質問攻めされて、顔が引き攣る。
誰かこの人を止めてください。
私、男性慣れしていないんだから。こんな質問ばかりされても戸惑ってしまう。
助けを求めるように友人を見るけど、友人は違う人の相手をしているし他の女の子もそれぞれの相手している。
さっきまで佐久間さんを見てたのに、どういうことだ。
「ねえ、紗奈ちゃん。俺とライン、交換しようよ。さっきも言ったけどまじでタイプなんだ。仲良くしてくれると嬉しいなぁ」
そう言いつつもうスマホを取り出して、ラインのバーコード画面しているし。
ここまでされたら断れないし、どっちにしろ私には断るということが出来ない損な性格でもあるのでされるがままになるしかない。
タイプといわれても佐久間さんなら選り取りみどりだろうに。
たまには私みたいな地味な子にも手を出したいのか、分からないけど……遊びにはどう考えたって向いてないって分かるでしょ。
そう言いたいのをぐっと堪えて、私もスマホを取り出してラインを開くのだった。
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