第22話
悲しさやら悔しさやらが込み上げて思わず泣き出してしまう。
何でこうなってしまったのかと悲観してもどうにもならないというのに。
「梓ちゃん?」
「梓……?」
まさか泣き出すとは思っていなかったのか、2人とも驚いて焦りをみせた。
「っふ、うう、」
「な、泣くなよ、カメラ付けてたのは悪かったが、それはお前の安全を守る為で」
「梓ちゃん泣かないで? そんな泣いたら目が痛くなっちゃうよ。梓ちゃんには痛い思いさせたくないんだ」
珍しくもオロオロとし、まとわりついてきた2人に堪らずドンッと突き飛ばすと。
簡単に離れた2人を睨んで、そして駆け出した。
「梓ちゃん!?」
慌てる柊くんの言葉を無視して扉のある部屋まで走り内鍵をかけた。
本当は外に出たかったけど、追いついてしまうだろうから諦めた。
内鍵をかけたところで鍵で開けられてしまったら意味が無いけど少しでも真斗くんと柊くんから離れられただけでもいい。
こんな格好までさせられてバカみたいだ……。
駆け込んだのはいいけど、この部屋ってそういえば1度も入ったこと無かったかもしれない。
真斗くんに入らないよう言われていた部屋で、なんも疑問なく私もスルーしていたけど……。
「…………、」
直ぐにこの部屋に入ってくると思ったけど、真斗くんも柊くんも余程驚いたのかな。
追いかけこない2人に内心訝しみつつも、扉を背に座り込んで部屋を見渡す。
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