第20話
「ま、真斗くん……これ、短い……」
ギュッと裾を下へと引っ張るけど、伸縮性があるわけじゃないので伸びてくれない。
なんでこんな服を着せられてしまっているのか訳が分からないけど、無理やりひん剥かれて着せられた服に羞恥しか感じない。
布面積が少ないそれになるべく自分の身体を隠すようにしゃがみ込んだ。
「梓ちゃん可愛いね」
「梓は何着ても似合うな。その恥じらったような顔で上目遣いなんて結構くるな」
「……っ」
柊くんと真斗くんが関心したように見下ろしてくる。
もう脱ぎたくてたまらない。
泣きそうになりながら、2人からの視線に耐えていると徐に柊くんがスマホを向けてきた。
唖然としていると、にっこりと柊くんが微笑む。
「はい、梓ちゃん笑って?」
「っ!? しゅ、柊くん!?」
まさかカメラを向けて……っ?
「と、撮らないで」
こんな格好の姿を撮られたくないっ。
真斗くんに止めてくれるよう目で訴えるけど、真斗くんはふっと意地悪げに口端を上げる。
「バカだなぁ梓。写真どころか動画撮られてるの気付いてないなんて」
「えっ!?」
「あぁやっぱり気付いて無かったんだ。この家、監視カメラ付いてるの。僕が来る前からだろうにねぇ」
柊くんがじっと天井を見上げたかと思うとクスクス笑う。
ヒュと息を呑んだ私に、真斗くんはゆっくりと近付いてきた。
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