今カレと元カレからの愛が重過ぎる

第17話

ーーとある日ーー




「うわ、これ可愛い過ぎんだろ。」


「でしょ。梓ちゃんとの思い出は全て撮ってあるもんね。」


「はぁ。こんな可愛い笑顔を俺以外の奴に向けてたのは腹立つけどまじで可愛いわ」


「君に見せなきゃいけないなんて僕の方こそ腹立つけどね」



ソファーの上で右側に真斗くん、左側に柊くんが私を囲んでアルバムを開いている。

どの写真も私しか写っていなくて。


いつの間に撮られていたのか分からないものばかりだった。


殆どカメラ目線のものはないのだから、柊くんが知らぬ間に私を撮っていたんだろうけど……。



「待って、柊くん。これは……」


柊くんと付き合う前の写真だよね。なんで持っているの?

それに真斗くんもなんでそんな平然とした顔で眺めているんだろう。



「これお気に入りなんだ。セーラー服の梓ちゃんを見る機会なかったからね」


「セーラー服似合ってんじゃん。つーか着てもらえば直ぐに見れるってことか。」


「へぇ。君も思った? ネットで買おうか。」


「……まじで買ったのかよ。俺が出会ったのは社会人になってからだから制服姿の梓を見たことねぇしな。ブレザー姿の梓を見たの狡いわお前」


「あの頃の梓ちゃんは素直で可愛かった」



私の許可なく勝手に話を進められていってる事に焦る。

柊くんが私に着せる為にセーラー服を買った?


この歳になってセーラー服を着るなんて絶対に阻止したい。

真斗くんもなんでそんなに制服に拘るのか分からないよ……。



それに。

なんでこの2人今までは険悪ムードだったのにいつの間に意気投合して仲良く話してるの?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る