第26話
「あぁ、泣かせちゃったね」
お父さんが嬉しそうに笑ないながらそんな事を言う。
キャパオーバーに自分でもどうしたらいいか分からなくて、勝手に涙が溢れてしまう。
「もぅ、分からない……一体、」
お母さんは何を考えているのか。
あんなにも2人で一緒に生活してきたのに、お母さんのことまでもよく分からなくなってしまって胸がズキズキと痛い。
目の前にいるこの人は”お父さん”と呼んできたけど、私の本当のお父さんじゃない。
それでもお母さんと一緒になったからお父さんと呼んできたのに……。
「舞ちゃん」
「っ」
涙を指で払われ、お父さんが顔を近付ける。
さっきされたキスを思い出し、思わず身体を強ばらせる。
フッと口元に笑みを浮かべるとお父さんは目を細めた。
「君は出会った時から私のものになる運命だったんだよ」
お父さんがそう言ったのが聞こえ目を見開いいた時。
唇に触れたのはお父さんの唇で。
私の目とお父さんの目が至近距離で合った。
あ、と思った時にはお父さんの舌が強引に私の口内へと侵入してきたのだった。
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