第22話

「舞ちゃんと仲良くなりたいんだけど、なんだか嫌われているように感じててね。距離を縮める所か離れていくようだったから」


「それはっ、ごめんなさい……」


確かにお父さんから距離を取っていたから、否定できない。


謝るとお父さんはそっと頭を撫でてきた。

反射的に振り払いたくなるのを堪え、好きにさせておくと何故かそのまま抱き寄せられてしまう。



「っ、お父さん!?」


密着する身体に焦る。

普通の親子ならなんとでも無いかもしれないけれど、お父さんとなった人に抱き締められるのはどうしても違和感しかない。


離して欲しくて腕を突っぱねようとするけど、思いの外お父さんの力が強くて出来なかった。



「はぁ。我慢出来そうにないな」


お父さんがポツリと呟く。


ぎゅうっと更に強く抱き締められてしまい、暴れようとするけどお父さんは困ったように笑うだけで。

離してくれそうになかった。



なんで抱き締められてるのか分からない。


「ごめんね舞ちゃん。」


「っ!?」


お父さんが謝ったかと思うと、何故か抱き上げられてしまった。

突然の浮遊感に慌てふためく。

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