第17話
【蓮也side】
部屋から出てきた音がしたからてっきり降りてくると思ったんだけど、中々降りて来ない。
もしかして電話をしているから躊躇っているのかもしれない。
舞里さんを連れていった病院にいる友人との電話を切ると、舞ちゃんの様子を見ようと階段下で顔を上げると。
そこには慌てた様子の舞ちゃんがいた。
あぁ、可哀想に。
不安になって泣いていたんだね。
白い肌が泣いてたからか赤く染まっていて、寝姿に思わずくらりと眩暈がしそうだった。
部屋に戻ってしまった舞ちゃんに思わず漏れる笑い声。
「あぁ、もう。可愛いなぁ」
早く手に入れてしまいたい。
あの身体を手にしたらどんなに幸せになるだろうか。
思い描くだけで、欲情してしまいそうな身体に苦笑が出た。
若い頃ならまだしもいい歳した大人が、未成年に欲情しているなんて言えないな。
もう少しだ。
もう少しで彼女を本当の意味で手に入れられる。
ずっと待ったんだ。
君を手に入れる為に。
「待ち遠しいなぁ」
ポツリと漏れた声は自分でも笑ってしまうほど情けない。
「舞ちゃん……」
そっとスマホ画面に写る笑顔の彼女の頬を指でなぞった。
(彼女を手に入れるタイムリミットまであと少し)
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