第15話

「舞ちゃんのお母さんは入院する事になったよ」


「っ!!」



やっぱり、思っていたよりも体調が悪かったんだ……。

お父さんにもっと早くに連絡していれば良かった。


ショックで固まってしまう。



「大丈夫。入院はしてしまったけど、きっと直ぐに良くなるよ」



お父さんが安心させるように優しく笑うけど、不安が拭えない。

心配で仕方なかった。



「お母さんは本当に大丈夫なんですか……?」


「大丈夫だよ。私の友人の病院に連れて行ったんだけど、とても腕がいいんだ。」


「っ、お母さんのとこに行くことは……」


「舞ちゃん」



両肩を掴まれて、ビクッと肩を揺らす。

お父さんのやけに真剣な声音に目を見開いた。



「落ち着いて。舞ちゃんが不安になるのも理解出来る。だけど、舞ちゃんがしっかりしないと。」


「あ……」



ギュッと唇を噛み締める。

辛いのはお母さんなのに……。私がこうやって不安がっててもどうしようもないってわかってる。


それでも……。やっぱりお母さんに会いたくて仕方無かった。



「舞ちゃん。お母さんから言われたんだ。舞ちゃんをよろしく頼むって」


「……」


「大丈夫。お母さんはすぐ良くなるって信じよう。」


「……、はい」



お父さんが真剣な顔でそう言う。


このままいても仕方ない。

お父さんに頷くと、お父さんは安心したように息を吐いたのだった。

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