2
第9話
「……お母さん?」
学校から帰ると家の玄関が開いていて、不思議に思いながら上がるとリビングのソファーで横になっているお母さんがいた。
具合が悪そうな様子に慌てて駆け寄る。
「具合、悪いの?」
「……帰ってきたのね。なんか、最近調子が悪くてね」
目を瞑っていたお母さんが薄らと目を開けて小さく笑う。
「病院に行く? あ、お父さんに連絡しようか?」
顔色が悪い様子に思わず息を飲んだ。
お母さんを病院に連れて行ってあげたいけれど、車など到底運転出来る年齢でもないので連れて行けない。
それならお父さんに頼むしかない。
「ううん大丈夫よ。横になっていれば大丈夫。それに蓮也さんには体調が悪いって言って早退してきたわけだし」
「でも……」
お母さんとお父さんは同じ職場だってそういえば、言っていたけどこんな体調悪そうなのに心配で仕方ない。
どうやら家まではお父さんが送ってくれたらしいけど、病院に連れて行ってくれれば良かったのにと思ってしまう。
「ベッドまで支えようか?」
「うーん……じゃあお願いしようかしら」
お母さんが力なく笑う姿に不安が込み上げる。やっぱり病院に行ってきて欲しいけど……きっとこの様子じゃ自力ではいけなさそうだ。
お母さんの身体を支えながらベッドまでつくとお母さんは直ぐに横になって目を閉じた。
もし症状が悪化するようだったらお父さん……いや救急車を呼ぼう。
そう決めてお母さんに掛け布団を掛けてあげた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます