第2話
この人と2人きりなんて……嫌だな。
いっそ自分の部屋に籠ってしまいたいけど、お母さんのためにも仲良くならないといけない。
ようやくお母さんが見つけた幸せを壊すなんてそんなの絶対にしたくない。
「舞ちゃんのことはよく君のお母さんから聞いてたんだ。実際に会ってみてこんなに可愛い子が娘になるなんてほんと嬉しいんだ」
「あ……はい。あの、お母さんとはどうやって知り合ったんですか……?」
「あぁそうだね。君のお母さんとは同じ職場でね。会話をしていく内にお互いに惹かれあっていったんだ」
「! そうだったんですか」
まさかお母さんとこの人が同じ職場だったなんて。それすらも知らなかった事に寂しい気持ちになる。
お母さんとはなんでも話し合っていたと思っていたのに。
「舞ちゃんがまだまだ私に対して信用なんて出来ないのは分かっている。でも、いつかは心を開いて欲しいな。」
「…………」
優しく微笑まれ、目を泳がせながらも頷くとお父さんは更に嬉しそうに目を細めた。
「あぁ……ほんと可愛いな」
「え?」
ポツリとお父さんが何か呟いたのが聞こえなくて顔を傾けると、お父さんはなんでもないよと言って首を横に振った。
「舞ちゃん、今日は2人で何処か食べに行こうか」
「っ!? お、お母さんは?」
「君のお母さんがね、舞ちゃんと仲良くなる為にもそう言ってくれたんだ。」
「……お母さんが」
iPhoneを見てもラインにそんな連絡なんて入ってなかった。
お母さんからそう連絡入れてくれても良かったのに。
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