第4話
歯を立てられ、痛みが走る。
「いっ、」
「美羽ちゃんは俺のものなんだから、他の男を見たら駄目だよ?」
「っ、んっ」
痛くて涙が出たのに、累先輩はうっそりと笑って私の涙を舐めとる。
私には累先輩だけだって、分かりきっているクセに。わざとそんな事を聞いてくるなんて。
私を試さなくたっていいのに。
「私は累先輩しか要らないんです」
「うん。美羽ちゃんはもう一生俺から逃げられないんだからね?」
「分かってーーっあ、」
累先輩に言われるまでもなく。私から累先輩から逃げる事なんて有り得ない。
全て累先輩に奪われて、もう累先輩しか私の全ては受け付けないのだから責任を持ってもらいたい。
「美羽ちゃん」
「っ!」
累先輩に身体を触れられ、身体をビクつかせながら顔を上げると深く口付けされてしまう。
グチュ、と音を立てて激しくキスをされ堪らず累先輩の首に腕を回す。
朝にもあんなにしたというのに、求められると応えてしまう身体に飽きれてしまうけど累先輩の全てに反応してしまうのだから仕方ない。
もっと深く交わりたくて、もっとして欲しくてたまらなくなる。
「可愛い俺だけの美羽ちゃん」
「っあ、」
その重い愛でさえ愛おしく思ってしまう私はきっと累先輩に狂っているのだろう。
愛おしそうに見つめる累先輩に私は吐息を漏らした。
溺愛され過ぎて困るほど愛されてしまう日常が、これからも始まる。
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