第3話
佳奈には今年で学校を辞めることを話しておいた。
やっぱり悩んだし、あと1年だけなのに高校を中退してしまうのも……それに必死に勉強を頑張って入った高校だから余計に悩んだ。
だけど、結局は累先輩の言われた通りにしてしまった。
将来は累先輩のお嫁さんになることが決まってて、働けるわけではないから。
それ以上に学校を続けたいと言うと悲しそうな顔をする累先輩に根負けしてしまったんだけど。
累先輩が好き過ぎる自分に飽きれてしまうけど、こればっかりは仕方ないんだよね。
累先輩が嬉しそうならもういいや、という気持ちになってしまったのだから。
▫️
「……累先輩、何をしようと?」
「ん? 美羽ちゃんの制服を脱がせてるだけだよ?」
「自分で脱げますが」
始業式だけだったので、累先輩に連れられるがまま早々に帰宅すると。
部屋に入った瞬間、ドアに身体を押し付けられ制服に手を掛けられていた。
シャツのボタンを開ける累先輩の手を掴んで止めるけど、累先輩がニッコリと何故か笑う。
「制服。汚したくないでしょう?」
「朝に制服のまま襲った人が言うことじゃない……って、嫌ですからね?!」
嫌な予感がしてサァッと青ざめる。
絶対に制服を脱がないようにした方がいいような気がする。
「美羽ちゃん、色んな男から見られていたよね。特に隣のヤツ」
「見られてませんっ。それに累先輩の方こそ色んな女の子達から見られてたじゃないですか」
「他の女の子なんて一切興味無いよ。美羽ちゃんが見られていたことの方が凄く嫌なのに」
逃げられないように壁に手をついていた累先輩が少し屈んで、鎖骨に顔を埋めてきた。
累先輩の柔らかな髪が当たり、擽ったくて身じろぐ。
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